熊本地震の思い出6(最終回)

熊本地震特別対策委員 美濃口雅朗

 

熊本地震後、日々、思っていることです。

いきなり訳の分からないことを書いて恐縮ですが…

文化財担当者は、キムタクのドラマ「HERO」に出てきたバーのマスターの如くあれ!

 

ドラマ「HERO」で俳優の田中要次さんが演じたマスター。

欲しいもの・必要なものがあると、必ず「あるよ」と言いながら出していました。

 

私が勤める熊本市の文化財。指定・未指定を問わず各所で熊本地震の被害がありました。

被害状況を正確に把握するためには、旧状の記録が必要であることは言うまでもありません。

ところが、私どもの業務怠慢なのですが、特に未指定のものについては、ほぼ記録がありませんでした。

 

後輩の担当者M永君。そのことで困っていました。

「美濃口さん。〇〇の写真・□□の図面ありませんか?」と。

そのうちの幾つかは「あるよ」とマスターばりに答え、個人的に採った資料を提供することができましたが…

 

無かった時は、実に口惜しく思いました。

長いこと熊本市の文化財に携わり、飯を食っているのに…

 

そもそも、広域で数知れない市内の文化財全般を、ただでさえ忙しい業務のなかに組み込んで把握・記録する、なんて不可能です。

ですから、普段、ちょっとでも気になったものはメモ写真でも何でも良い、記録しておく。

業務(外勤)の合間にでも、個人的にでも。

 

それを公有化させておけば、必ず役に立つ時が来る。

そう思って実践するよう心掛けています。

 

全国の文化財担当者の皆さん。

何かあった時、ドラマ「HERO」のマスターのように「あるよ」と言いましょう。

 

ちょっと偉そうなことを書いてしまいました…すみません。