長崎県庁跡地に所在する遺跡の保存活用に関する要望書

埋文委 第3号
2020年10月5日

 文化庁長官       宮 田 亮 平 様
 長崎県知事       中 村 法 道 様
 長崎県議会議長     瀬 川 光 之 様
 長崎県教育委員会教育長 池 松 誠 二 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢   敦

 

長崎県庁跡地に所在する遺跡の保存活用に関する要望について

 

 標記の件について、別添書類の如く、当該地は日本歴史にかかわる学術上極めて重要な内容をもつものでありますので、貴機関におかれましては、包蔵された埋蔵文化財について、適切な取り扱いをしていただくことを下記のとおり要望いたします。

 なお、まことに恐縮ですが、当件の具体的な措置、対応については2020年10月30日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。

 

 

1 要望事項    別添のとおり

以上

 


埋文委 第3号
2020年10月5日

 文化庁長官       宮 田 亮 平  様
 長崎県知事       中 村 法 道 様
 長崎県議会議長     瀬 川 光 之 様
 長崎県教育委員会教育長 池 松 誠 二 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢   敦

 

長崎県庁跡地に所在する遺跡の保存活用に関する要望書

 

 長崎県庁跡地は、イエズス会本部が置かれた「岬の教会と関連施設」、その後設置された「長崎奉行所西役所」、そして幕末期日本にあって近代化をいち早く取り入れた「海軍伝習所」や「医学伝習所」、「活字版摺立所」など、日本の歴史上重要な施設が存在した場所です。また、その後は長崎県の県庁舎建物が重層的に建設されるなど、県政史上においても重要な場所となっています。

本委員会では、この地に存在する遺跡の重要性に鑑み、2019年3月7日付けで、「長崎県庁舎跡地に所在する遺跡の取り扱いに関する要望書」を提出いたしました。その後も現地を視察させていただき、調査の進捗状況やその成果などを注視してきたところです。

 そして、先日も内容確認調査を見学させていただき、学芸文化課の遺跡に対する真摯な取り組みにより、調査区だけでなく県庁跡地全体の学術的歴史的価値を把握することが出来つつあると考えております。

 今回検出した石垣に関しては、下段は1610年代の奉行所以前にさかのぼる可能性も指摘されており、その年代からすると、多くの市民が関心を寄せている岬の教会との関連を解明することが重要課題であると思われました。

 以上のことから、一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会といたしましては、確認調査による新知見をもとに県庁跡地全体の学術的価値を一層明らかにし、市民はもとより長崎を訪れる多くの方々に、理解・共有できるようにするとともに、国史跡出島との一体的な活用を軸に県庁跡地の保存・活用を検討していただくことを要望致します。

 

 

 1.長崎県庁跡地の保存・活用を適切に進めるため、今回の調査区以外に調査箇所を面的に広げ、跡地全体の歴史的重層性を確認し、十分な学術的価値を把握すること。

 2.県民市民だけでなく、長崎を訪れる多くの方々に対して、出島と一体となった長崎の歴史が体感できる跡地活用を進めること。

以上