安芸市瓜尻遺跡および周辺遺跡の保存と活用に関する要望書について(回答2)

3 安教生第 181 号 
令和 4 年 2 月 24 日

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢  敦 様 

 

安芸市長   横山 幾夫
安芸市教育長 藤田 剛志

 

安芸市瓜尻遺跡および周辺遺跡の保存と活用に関する要望書について(回答)

 

   2022 年 1 月 21 日付け埋文委第 11 号で要望のあった件について、下記の通り回答します。

 

 

1.保存範囲および周囲の重要遺構について、学校建設工事及び周囲の付帯工事範囲を含め、 情報開示と適切な指導を得て、現地保存に万全を期すこと。

  本市においては、安芸市瓜尻遺跡調査指導委員会を設置して、文化庁及び高知県教育委員会参加のもと、遺跡の評価及び保存・活用について検討を重ね、重要箇所を国史跡として指定を受けられる状態・条件で保存するため、中学校建設計画を一部変更するなど保存の方策を諮ってまいりました。その結果、方形区画遺構を現地保存するほか、ご指摘のあった運河についても、一部は記録保存となりますが、校舎棟の基礎を杭打ち工法に変更したことで、 現地保存を図っており、消失を最小限に留めています。また、中学校建設工事における保護層の設置は、文化庁及び高知県教育委員会の指導・助言により行っております。

 調査で得られた情報は、高知県教育委員会や有識者などと共有を図り、指導・助言を受けてまいります。

 

2.今後、遺跡の活用に向け、速やかな発掘調査報告書の刊行と周辺遺跡の確認調査および、 国の史跡化等に向けた調査を継続できる埋蔵文化財保護の体制を確立すること。

 古代寺院跡が推定される中学校建設地の西側民有地については、安芸市瓜尻遺跡調査指導委員会からも、今後、長期的な展望の中で調査を実施し、一体的な保存と史跡指定を図るようご指導いただいていることから、次年度以降、庁内体制を確立し、瓜尻遺跡発掘調査報 告書の作成作業と並行して、調査指導委員会及び文化庁、高知県教育委員会のご指導のもと、 将来的な国史跡指定に向けた取り組みを実施してまいります。

 また、本市の埋蔵文化財専門人材の育成に向け、高知県及び高知県教育委員会に対し、職員派遣等の支援要望も行っており、今後の調査体制の確立に努めてまいります。