高校生ポスターセッション報告

 日本考古学協会第83回(2017年度)総会・研究発表において、昨年に引き続いて高校生ポスターセッションが開催された。9校9件のポスターが掲示され、高校生の発表が行われた。発表会場は熱気に満ち溢れ、若々しい情熱が感じられた。多くの会員の方から「昨年以上のできである」などのお褒めの言葉をいただき、主催者としては安堵した。来年度以降、より多くの高等学校・高校生の積極的な参加を期待している。
 今回の発表は、昨年度に引き続いて参加された学校が多く、昨年以上にポスターや発表内容などを工夫していたのが特徴的であった。また、今回は実験考古学が多い印象である。その実験を博物館と合同で行い、その結果を発表していたのは、非常によかった。今後、博物館や資料館に勤める考古学協会員の指導を受けて、発表されることを期待している。
 今回の審査結果であるが、1,2位は甲乙つけがたいという審査員の共通の意見で、最優秀賞を2件とし、優秀賞を1件とした。最優秀賞の糸島高等学校歴史部と徳島文理高等学校は、自分たちで調査をし、仮説に基づいて結果を導きだし、考察するというオーソドックスな研究方法であった。こうした研究手法や地域の文化に根ざしているのも賞賛された。優秀賞の伊奈学園総合高等学校歴史研究会は、昨年以上に研究が進化し、努力が認められた。優秀賞は逃したが、初参加の桐生高等学校地歴部の調査研究も高い評価を得た。あとの入賞校も、よく努力をして、高校生では高いレベルの研究であった。今後の発展に期待したい。
 問題点として広報がある。マスコミを通じて広報するのはもちろんであるが、それ以外に該当する部活動を行っている高等学校に直接案内状を送付したいと考え、約260校に案内状を送付し、12月1日締切で募集を開始した。9校9件の応募があり、企画会議で内容を審査した結果、すべて予想以上という内容であり、応募全件採択と決定した。また、発表要旨集に掲載するため、原稿も提出していただき、総会での発表となった。発表は、5月28日(日)10:00~16:30、コアタイムは12:00~12:40であった。その間に審査員の先生方に審査をお願いし、12:40に入賞者が決定し、直後に表彰式を行った。結果は、次のとおりである。真摯に努力してくれた高校生をはじめ、多くの方々のご協力に感謝したい。また、初参加の高校は「この行事をまったく知らなかった。知っていれば、昨年も参加したのに」と言われていた。
 考古学協会員のみなさま、自分の居住地・職場のある地域に考古学や歴史研究、郷土研究などの活動をしている高校があれば、ぜひ事務局までご連絡ください。今後ともこの行事を発展させるために、ご協力をお願いします。また、高校生の活動のご指導・ご支援をお願いします。

 (企画担当理事 岡山真知子)

 

最優秀賞:福岡県立糸島高等学校 歴史部「火山の烽火台調査」
     徳島文理高等学校 2年 森﨑陸斗「藍作地域の高地蔵を考える」

優 秀 賞:埼玉県立伊奈学園総合高等学校 歴史研究会
     「埼玉県行田市将軍山古墳の蛇行状鉄器と酒巻14号墳出土の蛇行状鉄器付馬形埴輪について」