熊本大学の国指定重文・五高記念館、科学実験場が完全に素屋根に覆われました

理事の杉井です。

 

熊本大学は今、夏休み。
我が熊大考古学研究室は、8月下旬から9月上旬の阿蘇市下御倉古墳測量調査を終え、今、対馬市越高遺跡で実習発掘調査を行っています。
9月21日頃までの予定。これから私も、少し出向きます。

さて、熊本大学には4つの国指定重要文化財があります。
下のホームページに紹介されていますが、
https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/shisetu/syoukai/bunkazai
五高記念館(資料館)、化学実験場、赤門(正門)、工学部研究資料館(機械実験工場)の4つです。

2年前の熊本地震では、このいずれもが被災しました。

昨年度、赤門については応急処置が終わったのですが、それ以外の3つは、地震発生から2年以上が経過してようやく素屋根がかかったという状況。

これから本格的な修復工事が始まります。

 

五高記念館の素屋根工事は、昨年度末に始まっていました。
しかし、北側入口にあった庇の撤去に時間がかかったのでしょうか、つい最近、やっと完全に素屋根に覆われました。

図1 素屋根工事が始まったころの五高記念館(20180202)

図2 素屋根工事中の五高記念館・北側入口(20180306)

図3 素屋根工事が終わった五高記念館(20180913)

図4 素屋根工事が終わった五高記念館・北側入口(20180913)

五高記念館のなかでは、漆喰の撤去工事が始まっています。
庇の撤去などは、番付けをしながら1つずつ、部材の解体がなされたようです。

五高記念館での修復工事の様子は、パネルに掲示するかたちで紹介されています。
学生たち、気付いているのでしょうか、、、
ぜひ、注目して欲しいですね、、、

図5 五高記念館修復過程の掲示

図6 五高記念館修復過程2018年6月1日

図7 五高記念館修復過程2018年6月27日①

図8 五高記念館修復過程2018年6月27日②

図9 五高記念館修復過程2018年7月31日

図10 五高記念館修復過程2018年8月31日

 

化学実験場については、周囲に広い空間がないので、どのようにして素屋根をかけるのかしら、と思っていたのですが、なんと、建物のまわりを足場で囲い、その足場の上に鉄骨を組み上げるという方法で素屋根をかけています。

ちょうど今、その作業の真っ最中。
素人目には、足場が不安定に思われ、ちょっと心配になりますが、大丈夫なのでしょう、、、

図11 素屋根工事前の化学実験場(20180306)

図12 素屋根工事が始まった化学実験場(20180913)

 

今後、修復過程を見学させてもらうなどしながら、見守っていきたいと思います。