菌学会から下記の案内が来ておりますので、掲示します。
国宝の高松塚古墳壁画やキトラ古墳壁画では,発掘調査とともにかび汚染が発生し,その後の 壁画保存のあり方にまで大きな影響を与えることとなった.当時,かび汚染を食い止めるために 種々の取り組みがなされ一定の成果をあげたものの,壁画をそのまま保存することは困難と判断され,現在,石室解体による抜本的な壁画や石材の修復作業が進められている.
本シンポジウムでは,これら古墳壁画を含む文化財のかび汚染についての歴史的経緯や現状 の問題点について菌学的な観点を中心に考察し,将来,菌類学の基礎ならびに応用科学的な立場からはどのような取り組みが望まれるのか闊達な討論を行いたい.
1. | 文化財のカビ汚染−現在,何が問題となっているのか |
木川 りか氏 (東京文化財研究所 保存修復科学センター室長) |
2. | 高松塚古墳壁画やキトラ古墳壁画に危害をもたらすカビとは |
杉山 純多氏 ((株)テクノスルガ・ラボ 千葉分室) |
3. | 石造文化財の微生物被害 −アンコール遺跡(カンボジア)の場合 |
片山葉子氏 (東京農工大学大学院農学研究院物質循環環境科学部門・教授) |
4. | 文化財保存管理の現状と制御技術 |
久米田 裕子 先生 (大阪府立公衆衛生研究所感染症部 細菌課 課長) |
5. | カビ汚染問題に対して学術団体のなすべき役割 −人・組織の協力体制のあり方: |
毛利和雄氏 (日本放送協会 解説委員) |