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埋文委 第16号
2006年2月2日

財團法人古代學協會理事長 角田文衞 様

日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 近藤英夫

要望書の提出について

 このことについて、別添要望書の如く、貴協會の調査・研究のなかで蓄積されてきた諸成果は学術上きわめて重要な内容をもつものでありますので、貴殿において、速やかな対策を講じられるよう要望いたします。
 なお、当件の具体的な措置、対策については2月16日(木)までに、ご回答をくださるようお願い申し上げます。

別添書類
一、財團法人古代學協會の研究活動の継続について(要望書) 一通

以上

埋文委 第16号
2006年2月2日

財團法人古代學協會理事長 角田文衞 様

日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 近藤英夫

財團法人古代學協會の研究活動の継続について(要望書)

 平素は日本考古学協会および同埋蔵文化財保護対策委員会に対し、一方ならぬ御高配、御支援を賜り厚く御礼申し上げます。

 いくつかの報道により、財團法人古代學協會が資金難から本年3月末日をもって、その事業を停止せざるを得ない事態に陥った旨を知りました。このことに対し、当協会としても驚きの念を禁じ得ないとともに、民間研究組織における研究活動の有り方に対し、大きな懸念を抱いた次第です。

 貴協會が、今日まで平安京の研究やイタリア・ポンペイをはじめとする海外調査などに取り組まれ、その研究成果と実績に関して国内外を通じ高い評価を得てきたことは、広く学界で周知されているところであります。貴協會の事業の停止により、現在行われている調査・研究成果が未完成のまま報告・公開されないとなると、その学問的・社会的責任が問われるとともに、国際的な学術交流においてもきわめて由々しき事態であると考えます。

 さらに、貴協會が刊行している機関誌『古代文化』は、長年にわたり学界において重要な役割を担ってきた研究誌として高く評価されております。それが資金難ということで、その刊行が今後の見通しもなく中断・停止されることは極めて遺憾な事態であり、学界にとって多大な損失であると考えられます。

 私ども日本考古学協会および同埋蔵文化財保護対策委員会は、貴協會がこれまで果してきた学問的、社会的役割に鑑みて、研究成果公開の道を閉ざさぬような組織的取り組みと、機関誌である『古代文化』の継続的刊行を強く要望するものであります。

 学術研究にかかわる者にとって、きわめて厳しい社会的情勢であることは重々承知しておりますが、ぜひとも要望書の趣旨をお汲み取りいただき、考古学研究発展のためにご尽力くださるようお願い申し上げます。

以上