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埋文委 第6号
2007年9月18日
文化庁長官   青木  保 様
宮城県知事   村井 嘉浩 様
宮城県教育長  佐々木義昭 様
仙台市長    梅原 克彦 様
仙台市教育長  荒井  崇 様
有限責任中間法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 近藤英夫

与兵衛沼窯跡の保存決定に対するお礼とお願い

 都市計画道路(川内〜南小泉線)建設工事に伴う与兵衛沼窯跡の発掘調査では、奈良〜平安時代の半地下式あな窯や平窯等9基の良好な窯跡が発見されました。これらが古代陸奥国における窯業生産のあり方をはじめ、陸奥国府である多賀城との関連性を解明するうえで大変重要な遺跡であることが判明し、地元の学会や全国の研究者から、遺跡の保存を強く要望する声が上がったことは周知のとおりです。

 日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会でも当該遺跡の重要性に鑑み、宮城県民のみならず国民共有の財産として遺跡を全面保存し、将来にわたり有効に保護・活用されるよう、現地視察を行ったうえで、本年6月には関係諸機関に要望書を提出いたしました。

 このたび、文化庁や宮城県、仙台市をはじめとする関係諸機関の多大なるご尽力により、橋梁工法による遺跡保存を決定したとの報にふれました。皆様のご英断に敬意を表し、感謝申し上げる次第です。

 引き続き、与兵衛沼窯跡および周辺の窯跡群の学術的な総合調査と、保存・修復・活用を推進し、文化財の保護対策において万全を期されるよう、重ねてお願い申し上げます。

 最後ではありますが、上記については、微力ながら本協会も総力をあげて協力する態勢にあることを申し添えさせていただきます。