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協会所蔵図書問題について会員の皆様へ
−臨時総会の結果を受けて−

 2010年10月16日、兵庫県明石生涯学習センターで開催された臨時総会におきまして、協会が所蔵する図書を一括して英国のセインズベリー日本藝術研究所へ寄贈するという理事会決定が否決されました。したがいまして、同研究所への寄贈は白紙となり、2010年1月理事会決定以前の状態に戻ることになります。

 私ども2009年度、2010年度理事会は、あくまで総会決議に基づいて手続きを踏んできたという認識で事を進めて参りましたが、私はこのたびの臨時総会での決議を、多くの会員の意志として、非常に重く受け止めています。そしてこの問題の解決に向け、改めて会員の皆さまと共に考え、行動していこうと思っております。

 現在は、臨時総会の折会場から意見が出され、また最後に議長団からもご提言いただきました「特別委員会」の設置に向けて準備を進めております。

 一方、セインズベリー日本藝術研究所に対しましては、大変申し訳なく、深くお詫びを申しあげなくてはなりません。そのため、速やかに同研究所の方々に直接お目に掛かかって説明し、理解を求めたいと考えております。

 私は常々日本考古学協会は、様々な立場や年齢などの枠を超えて会員同士が自由な発想、闊達な意見をたたかわせつつ相互理解を深め、それぞれの研究を高めていくべき団体であると考えております。

 今回の所蔵図書に関しまして、会員から様々な意見が出されましたことは意義深く、本協会の足下を改めて見直し、将来を展望する大きな契機となりました。

 今後も会員の皆様方には図書問題に限らず、それぞれの立場で本協会の運営全般にわたり様々なご意見を賜りたく、もって日本考古学協会のよりよき発展を期したいと存じます。

 どうぞよろしくお願い申しあげます。

2010年10月25日

一般社団法人日本考古学協会
会長 菊池 徹夫