HOME > 図書問題 > 

第2回「協会図書に係る特別委員会準備会」議事録

議題

 冒頭、泉委員長から「会報No.172」に掲載された本準備会の議事録について、会員から意見等は無かったか、との質問があり、水村が、現在まで事務局には届いていない旨回答した。
 橋口委員から、原因は不明だが、現時点で会報が届いていないか、大幅に遅れている地域があるので、今後意見が届くかもしれないとの情報提供があった。

【報 告】

(1)「協会図書対応検討小委員会」について

 白井委員から、本日午前10時30分から9回目の「協会図書対応検討小委員会」を開催し、本準備会の意見、理事会での解散決定等を踏まえ、同小委員会の役割は「協会図書に係る特別委員会」へ移行させる旨説明し、各委員の了承を得た。したがって、「協会図書対応検討小委員会」は本日をもって解散したことが報告された。

(2)セインズベリー日本藝術研究所への返金について

 白井委員から、2009年度末から2010年度末にかけて、協会図書に関してセインズベリー日本藝術研究所が負担した市川考古博物館から所沢市ナガオ倉庫への輸送料並びに約1年間にわたる同倉庫での保管料について、3月24日付けで1,200,370円を返金し、4月11日に同研究所の平野司書から「確かに受領した」旨メールで連絡があったことが報告された。
 橋口委員から、返金については理事会で決定された事項なので、準備会としては報告を伺うという立場であることを確認させていただきたい、との発言があった。

(3)マスコミへの投げ込みについて

 石川委員から、前回の準備会での協議結果に基づき、協会内において図書問題に係る準備会が発足した旨、文部科学省記者クラブに情報提供したとの報告があった。なお、この提供に関してマスコミからの問い合わせ、記事の掲載等はない。

(4)設置要綱(案)の確認について

 石川委員から、同案作成から約2ヶ月経ているので、本日改めて確認し修正等の必要があれば改めて協議事項として取り上げ、ここで確定して総会に提案したいとの説明があった。
 泉委員長から、この件は協議事項とも関連するので、協議を進める中で必要に応じて取り上げたいとの意見が出され、了承した。

 協議に入る前に橋口委員から次のような発言があった。

 3月14日付けで菊池会長名で「図書寄贈の停止について」という文書が出された。

 現在、準備会で協会図書の保存・管理や寄贈・活用について議論している最中にこのような文書が出ることは理解できない。会報172を見てもこの件について理事会で議論されていない。また、前回の準備会でも取り上げていない。納得のいく説明をしてほしい。

 これに対し石川委員から、次のような説明があった。この文書は2009年度総会の「協会所蔵図書寄贈先募集要綱の制定について」の審議結果を受けたものである。総会当日さまざまな意見があったが、会報167の総会抄録にあるように「基本的には協会は図書の寄贈は受けず、送られてきたものについては転送するとし・・云々」との 議長提案を総会で可決した結果による。

 しかし、このことが周知徹底されておらず、2010年度にも多数の図書が送られてきているので、送付が集中する年度当初に先立ち、改めて文書を送ったものである。お送り頂いた図書については協会として受領できず、礼状も出せずにいる状況が続いており、このような事態の収拾を図るための措置である、との説明があった。ただ、送付の時期が当初の予定よりも遅れ、タイミングが悪かった事から誤解を招いたのであれば、陳謝する。

 さらに橋口委員から、2009年度は前理事会の時期であり、このことは現理事会でも周知した上で出している文書なのか、との質問に対し、石川委員から、現理事会では2009年度総会決定は確認している、との回答があった。

 続けて橋口委員から、この文書は以前から出す用意はあったのか、あったとすれば1月理事会で協議されるべきであり、この準備会でも話題にすべきである。文書内容は特別委員会にも大きな縛りがかかってくる。この準備会の意志を無視しているのではないか、との意見が出された。また、前理事会での問題点、引き継ぎ事項は現理事会で確認すべきである、との意見もあった。

 また、事務連絡というのは事務局長名で出すべきものである。会長名で出すのは発番をとるべきで、文書の作り方がおかしい。事務局長が勝手に出した文書とも受け取れる。

 この問題は総会で質問が出る可能性があるとの発言もあった。

 熊野副委員長からは、この文書が出たタイミングが悪い。また、準備会で話題にすべき事項であったとの同趣旨の意見があった。

 毛利委員から、どこ宛に送付したのかとの質問があり、事務局から2010年度に図書が送られた機関であると回答した。

 泉委員長から、理事会メンバーが交代したのなら、引き継ぎ事項は確認すべきである。

 また、この問題は寄贈先が白紙に戻ったために生じたことである。協会としては送られてくる図書を受け取ることができず、その措置に困っているという中途半端な状態が続いている。このような状況をどうすべきかということを議論すべきであった。そこで、この過渡的な措置をどうするのかという問題があることを準備会の記録として残し、特別委員会に引き継ぎ、早急に議論することにしたらどうか、という提案があり承認された。

【協 議】

(1)予算案について、(2)委員定数について、は関連があるので一括で協議することになった。

 白井委員から、前回の準備会で委員定数を3部会各5名の計15名とすることになったが、3月理事会で、4名の理事からなる「東日本大震災対応特別委員会準備会」を立ち上げることが決まり、総会で委員10名程度の特別委員会を設置することになった。したがって、今春の総会で新たに二つの特別委員会が設置されることになり、予算も計上される。

 また、各常置委員会からの予算請求額を一律5%カットし、公開講座を取りやめてもなお約160万円不足している状況である。このような財政状況を踏まえ、3月理事会で「協会図書に係る特別委員会」の委員数を10名前後に減らしてはどうかという意見が出たので、委員数を各部会3名の9名とした予算案を作成した。また、受け入れ台帳のデータ化は事務局で進めておりそれを継続するとともに、理事がボランティアで作業することを前提にして、賃金を省いたこと等の説明があった。

 泉委員長から、委員定数が15名から9名に減ったこと。1部会3名という構成が示されたが、この2点を検討したいとの提案があり、次のような意見があった。

 橋口委員から、財政上厳しいのは理解できるので予算額は仕方ないが、3名の部会は難しい。旅費を絞り込んではどうか、場合によっては全額ださなくともよい。

 熊野副委員長から、会員から、協会がこの特別委員会を軽く扱っていると誤解されるような体制は作るべきではない。ボランティアの活用も考慮すべきである。

 泉委員長から、予算の枠内で工夫すれば、人数については9名以上に増やすことも可能である。

 橋口委員から、震災関連の特別委員会を立ち上げるのかとの質問があり、石川委員から、3月理事会で「東日本大震災対応特別委員会準備会」を立ち上げ、当面4名の理事が担当すること、また、何を、どこまで実施するかということは決まっていない。現時点では、会員の安否情報の収集を行っている。さらに、資料の救済活動への支援活動、今後は復興の段階での調査に対する支援などを考えており、小規模で立ち上げて、状況を見ながら順次拡大を図る計画である。また、理事会では最重要課題であると位置づけており、相応の予算を付ける旨説明があった。

 協議の結果、(1)については協会の財政状況から、提示された予算額案でやむを得ない。ただ、(2)については予算額内でやり繰りし、委員は10名程度とすることになった。

(3)「部会」組織及び活動内容について

 泉委員長から、予算額はそのままに置くという前提で、部会が3名構成では辛いので、目録作成と意識調査を合体させて1つの部会とし、各部会5名程度の2部会制としたらどうか、また、現物確認ができるリスト作りを優先すべきではないかという提案を基に協議に入り、次のような意見があった。

 橋口委員から、前回の準備会で受け入れ簿と図書目録は違うと発言した。仮に寄贈することになった場合、財産目録作成が前提となるのではないか、受け入れ簿をそのままデジタル化することで十分なのか、という意見があり、事務局から、現在「ザカード」を使って、現物と照合するためのデータ作りを行っている。エクセルには変換できる。また、確認作業を行うには図書の移動が伴い、輸送費がおよそ40〜50万円ほどかかることが予想されるとの発言があった。

 毛利委員から、現物とリスト確認しなくても受け取ってくれる機関があるとすれば、そのことも検討材料である、との意見があった。

 熊野副委員長から、一括寄贈が前提となっているが、もし分割寄贈ということになれば、しっかりとしたリスト作りは必要である、との意見もあった。

 上記の他に、・現物確認作業をする場所の問題。・図書を財産とみなすか否かの問題。 ・目録作成は協会ですべきなのか否かの問題・部会の名称等に付き多くの意見が出た。

 上記の意見を踏まえ、泉委員長から、リスト作りを前提とし、寄贈のスタイルをどうするか等、特別委員会で行う寄贈に係る議論の段取りをつけるのが準備会の仕事である。

 また、協会図書について会員がどのように考えているかも重要であり、意識調査の一環として特別委員会で協議してもらうということでどうか、との提案があり、了承した。

 以上の協議の結果、第1部会と第2部会の2部会制とし、第1部会は理念・基本に関する事項を扱い、協会図書の基本的性格に関する会員の意識調査や目録作成などを行う。第2部会は具体的な寄贈・活用に関する事項を扱い、寄贈の可否・方法・スタイル・再募集などの問題整理を行うこととした。

(4)委員の公募について

 泉委員長から、過去に特別委員を募集した事例があるかとの質問に、石川委員から、前・中期旧石器ねつ造問題の時に募集していると回答し、関係資料をコピーして次のように説明した。

 定時総会で特別委員会を設置した後、全会員に寄附金の依頼文と共に、募集案内と設置要綱の文書を6月12日付けで送付している。応募の締め切りが6月末で、最終的に21名が応募している。応募を受け、7月に正副委員長等が集まり作業部会の人員配置を行っているが、全員採用ではなく何人かは外している。

 説明に対し橋口委員から、ねつ造問題の時は協会外から委員を入れているが今回は仮に全体で10名体制とした場合、非会員の方は何人にするのかとの質問があった。

 これに対し、泉委員長から、一般の方の公募は避けた方がよい。非会員の委員は協会が依頼する形がよいのではないか。また、部会が2つあるので、複数は必要である。寄贈問題等の実務は1名でよいが、意識調査などは2名いてもよい。非会員の委員は理念的な部分で多く参加頂いた方がよいのではとの提示があり、最終的に非会員は第1部会に2名、第2部会に1名の計3名とすることになった。

 石川委員から、特別委員会の議論を理事会に反映させるためにも、理事会からの委員2名は必要である。また、橋口委員からは、特別委員会の委員については、準備会の正副委員長2名が加われば準備会での議論は反映できる。理事の参加は、10人プラス理事としたらどうか等の意見が出された。

 上記の意見を基に泉委員長から、特別委員会の構成は準備会から2名、非会員から3名、理事会から2名の計7名の他、残り3名について公募する。公募にあたっては役職指定で行う。また、募集文書の内容は、募集人数、スケジュール、応募多数の場合は準備会で判断すること等について明示する、という事が提示され了承された。

 続いて多くの議論に基づき、次の事が確認された。

  • 今後のスケジュールは、5月28日の総会で「設置要綱案」について諮る。総会で案が承認されたらその場で「公募」を開始する。公式サイトには即日アップする。公募文書の発送は行わない。締め切りは6月末日とする。
  • 7月9日(土)に3回目の準備会を開催し、人員配置等を行う。万一応募者が少ない場合は改めて考える。
  • 準備会委員は総会に極力出席し、会員の意見や動向を把握すると共に、必要により意見交換することもある。
  • 7月9日以降早い段階で、委員就任の依頼文書、辞令等を発送し、新委員の日程を調整して7月23日(理事会開催日)以前に第1回の「協会図書に係る特別委員会」を開催する。
  • 総会での準備会報告は、理事会の総務担当理事(石川委員)が行う。
  • 準備会からの2名、非会員からの3名の人選は、7月9日の準備会で公募も含めて決める。なお、非会員の3名は総会の時に検討する。
  • 募集要領案は泉委員長が作成する。
  • 協議の前に橋口委員から意見が出た、「寄贈図書の停止」に関する問題は議事録に残して特別委員会に引き継ぎ、改めて協議することを明記することとする。

(5)その他

 今回の議事録は、総会前に公式サイトにアップすることが確認された。

以上