○2014年5月の第80回総会において、考古学協会所蔵図書の寄贈先を奈良大学とすることが承認され、協会図書に係る検討小委員会では契約に係る事務的な交渉に入った。これに合わせて2014年6月10日に、受入準備を進める奈良大学から、市川良哉理事長、浅川正美本部事務局長、奥野貞介図書館課長他9名による現地視察があった。視察では図書の数量や分類・登録番号等の確認が行われた。
○この視察の結果、同年7月4日、浅川事務局長から、寄贈図書は奈良大学構内で登録等の受入業務を行う予定であったが、構内での仮置や作業スペースが確保できないため、当初の計画を見直し登録等の受入業務は奈良大学図書管理業者に委託するとの連絡があり、搬入作業は同年10月頃に受入体制が完了するとの報告があった。
○市川理事長から寄贈図書の受入計画の概要説明があり、受入作業は3年計画で段階的に実施するとし、第1段階は10月頃に業務委詫を予定している丸善(株)の埼玉県桶川市事業所に搬出し、11月から目録の作成・図書の整理を開始する。早ければ登録した図書から順次奈良大学に搬入し、インターネットによる検索も可能にしていく。第2段階は閲覧サービスを充実させるために、施設の耐震改修・電動式稼働書架のリニューアルを行う。協会図書は一括収納し、閲覧や文献複写サービス、貸出しの体制を図る。第3段階で将来的に収蔵図書の電子化(デジタルアーカイブ)を検討する旨の説明があった。
○贈与契約書・覚書は協会側で作成した文案を読み上げ、各条文ごとに検討し修正を行った。なお、修正案は相互の事務局で検討し、9月27日の協会理事会までに成文化する。契約書に記載する図書の数量は、登録終了段階で確定した数量を覚書に記載する。協会で保管している台帳・データ類は奈良大学に提供する。協会寄贈図書の登録は、「日本考古学協会寄贈図書」で分類され、協会員の図書館利用については、1年後に一部の閲覧・貸出し・複写サービスを開始し、遠隔地からの利用への対応も予定しているとの説明があった。
○寄贈継続については現在どのような形で継続するか検討しており、後日具体的な内容を提示する。
○会議後図書館施設を視察し説明を受け、意見交換会を終了した。
○2014年10月20日(月)、奈良大学市川理事長と一般社団法人日本考古学協会髙倉洋彰(石田琳彰)会長によって、協会所蔵図書の贈与契約書・覚書の調印が双方の関係者立会いで行われた。奈良大学を代表して市川理事長から、3か年計画で奈良大学図書館に配架する予定であるが、平成26年12月から順次図書館に配架していくとの挨拶があった。日本考古学協会を代表して髙倉会長から、千葉県市立市川考古博物館で保管をお願いしていた考古学協会図書がこうして奈良大学に受入れていただき会員の利用が可能になるとともに、日本考古学協会の図書センター的な役割となって活用を図っていただきたいとの挨拶があった。次に千田学長からは、6万冊を超える図書を贈与いただき、髙倉会長が述べた考古学の文献センター的な機能を発揮するために、学会や地域住民に広く公開、活用していきたいとの挨拶があった。
○報道機関からは次のような質問があった。
○日本考古学協会所蔵図書は報告書、定期刊行物(逐次刊行物)、一般図書に分類して収納箱に保管し、報告書は都道府県、定期刊行物は登録箱番号を標記しており、収納箱963箱、33パレット数を確認して搬出した。
○午後1時30分、桶川市丸善(株)学術情報ソリューション事業部へと搬入する。なお、所沢市の倉庫保管契約は2014年10月31日をもってすべて解約した。
一般社団法人日本考古学協会(以下「甲」という)は、学校法人奈良大学(以下「乙」という)との間に以下の贈与契約を締結した。
第1条 甲は、甲が所有する考古学の研究書、調査報告書等の図書(但し、甲の刊行物を除く)を一括して無償で乙に贈与し、乙はこれを受諾した。
第2条 甲は、第1条にかかる図書の契約締結後、平成26年10月31日までに、乙が指定する業者へ搬入する。
第3条 甲に帰属する図書の所有権をはじめとするすべての法的な権利、義務は、甲が乙の指定する業者に搬入し、乙もしくは乙の指定する業者が図書の受け入れを証明する書類に署名もしくは押印された時から乙の帰属となるものとする。ただし、寄贈図書総数は乙の最終受入業務の終了時に確認する。
第4条 第2条の指定する業者への搬入費用は甲の負担とする。
第5条 第2条の指定業者に搬入された後に発生する費用はすべて乙の負担とする。
第6条 乙は本契約締結後、贈与を受けた図書は乙の責任において分類、整理し、図書目録を作成し、順次奈良大学図書館利用規程により甲の会員による閲覧、複写の便宜を図る。
第7条 乙は、贈与を受けた図書が甲からの贈与によることを明記する。
第8条 甲は、図書の一括贈与後も乙の集書に協力する。
第9条 甲は、本契約締結後に新たに取得した第1条と同様の図書を継続的に乙に贈与することとし、搬入先を第2条の指定業者とする。ただし、乙が指定する業者の処理が完了した後は奈良大学図書館とする。この場合の費用の負担は、第4条、第5条に従うものとする。
第10条 契約書に定めのない事項および疑義が生じた場合、速やかに甲乙が協議する。
上記の通り契約が成立したので、本書面を2通作成し、甲乙各1通を所持するものとする。
甲 東京都江戸川区平井5-15-5-4階 一般社団法人日本考古学協会 会 長 石田琳彰 印 |
乙 奈良県奈良市山陵町1500 学校法人奈良大学 理事長 市川良哉 印 |
一般社団法人日本考古学協会(以下「甲」という)は、学校法人奈良大学(以下「乙」という)との間にて本日締結した甲所有図書の贈与契約(以下「本契約」という)の施行について、本日以下の覚書を取り交わす。
第1条 乙は、本契約第2条に基づく業者を次の通り指定する。
東京都港区海岸1-9-18 国際浜松町ビル 丸善株式会社
また、甲の搬入先を、埼玉県桶川市上日出谷原新田1202-1、丸善株式会社学術情報ソリューション事業部流通管理部とする。
第2条 乙は、本契約書に基づき贈与を受けた図書を、乙の責任と費用により、本日より3年以内に分類整理し、甲の会員利用の便宜を図るものとする。ただし、会員の利用は平成27年6月から順次開始する。
第3条 甲は、図書の贈与後も乙の集書に協力し、甲は外部機関に対して乙に図書の贈与を働きかける。
第4条 甲に新たな図書の所有が生じ、甲が乙に対して贈与を行った場合、乙はこれを受取り次第、甲に受取書を送付する。
第5条 甲の会員が、図書の借り出し、閲覧、複写等の利用を行う場合は、費用負担を含め奈良大学図書館利用規程に従うものとする。
第6条 本覚書に定めのない事項および疑義が生じた場合、速やかに甲乙が協議する。
甲 東京都江戸川区平井5-15-5-4階 一般社団法人日本考古学協会 会 長 石田琳彰 印 |
乙 奈良県奈良市山陵町1500 学校法人奈良大学 理事長 市川良哉 印 |