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第2回協会図書に係る特別委員会 議事録

 協議に入る前に泉委員長から、今後の議事録作成については、10日間から2週間ほどの期間内で意見を伺って調整し、最終的には次の委員会で確定するというシステム化を図っていきたいとの提案があり、了承された。
 続いて前回欠席であった佐々木和博委員から自己紹介があった。

議題

【協議】

 特別委員会の位置づけと役割を明確にすると共に、図書問題の経緯の確認と問題点を整理し、検討事項を洗い出して、この委員会で何を議論すべきかをはっきりさせておきたいという委員長の提案に基づき、次のような説明、意見があった。

1 協会内における特別委員会の位置づけと役割について

 (1)特別委員会と理事会、総会の関係について

 多くの意見が交わされたが、協会の議決機関は総会で、理事会は執行機関である。特別委員会は議決機関である総会の下に置かれている、という点を確認した。

 (2)受け入れ機関との交渉における、理事会と特別委員会の役割について

 今後、委員会が具体的な作業に入るとき、外部的な対応等は理事会が係わらないと難しい面もあり、その都度、理事会とこの委員会が調整を図って進めることにする。

 この委員会は、総会に諮る原案作成に責任があり、そのための調査はこの委員会が行う。一方、寄贈先機関との交渉などや決定に係わる部分は理事会と調整し、協会全体として判断することを確認した。議決機関は総会であって提案権は理事会にある。特別委員会の検討結果は会長に報告し、理事会はこれに基づいて提案することになる。

 (3)協会蔵書の取扱をめぐる外部委員の意見

 日本では、蔵書に関しては他の分野でも関心が高い。外国に行ってしまうのはどうかという意見もあったが、逆に図書の目録を作り公開すると表明している点を評価して、英国に行くことは良いことではないかという意見も多くあった。

 「人や予算があれば協会独自で所蔵したいが、それができないので一括で預かってもらい、活用していきたい」というのは普通の考えだ。しかし、誰のために、何のためにそうするのかというのが重要である。利用する側は本がどこにあっても差し支えない。協会の蔵書はなぜ1箇所が良いのか、数箇所に分かれたらどのような不都合があるのか、ということも検討課題になろう。ただし、図書はどこに行っても良いということではない。

2 所蔵図書に係る問題点の整理と今後の検討事項について

 様々な意見が交わされたが、(1)図書収集目的の変遷、(2)図書保管の変遷、(3)図書収集の継続について、(4)独自に所蔵・公開するか寄贈するか、の4項目に分けて整理した。

 (1)図書収集目的の変遷について

 協会の図書収集の目的の1つとして、国立考古学博物館に図書を収めることを視野に収集してきたが、国立考古学博物館そのものが実現できなかった。国立歴史民俗博物館や九州国立博物館への移動という機会はあったが、これも実現に至らなかった。この経緯は共通認識としてよいであろう。

 それ以外として、協会は考古学に関する図書を系統的に集約できるという特性を生かそうとする意見があったが、協会独自の所蔵施設を持つことを断念せざるを得ない状況となり、これに関する議論は語られることがなくなった。

 (2)図書保管の変遷

 概略としては、かつては各大学に分散して保管していた時代があり、それをまとめて市川考古博物館に移し、その後、全て埼玉県内の倉庫に移動して保管しており、現在は利用できない状況にある、ということである。

 2000年に市川市考古博が満杯になり、協会事務所と図書の保管・活用するための施設の整備を検討するため、「施設整備検討小委員会」が2005年に設置された。

 施設整備の予算的裏付けとして、寄附の依頼と会費の値上げを検討し、小中学校の空き教室も調査した。独自施設を買い取る案も検討し、会費を2,000円値上げすれば数年間で支払うことができるのではないかという意見もあった。また、協会の財政状況を考えて総会・大会時に参加費を徴収すべきという意見もあったが、その意見も通らなかった。このような状況で、独自施設についてのいずれの案も実現できる見込みが立たず、図書を適切な機関に寄贈するという案に帰着した。それが2007年に設置された図書小委員会に受け継がれ、2009年の「協会図書寄贈先募集要綱」制定にいたった。

 以上の経緯については、『会報』には出ていたのかもしれないが、会員に対して説明が不十分 であった。我々会員も反省すべき点はあるが、情報等の周知徹底を図るべきである。

 (3)図書収集の継続について

 2009年度総会で、募集要綱中の「協会は今後一切図書の収集しない」という文言に異論が出て、寄贈した先で集め、協会に届いた図書も寄贈先に移管するのであれば、その文言はいらないとして削除された経緯を確認した。

 図書の受入中止については、当面の結論を理事会で出してもらう。一方、今後の協会の収集への関わりは、寄贈先の収集に関する希望と関係する問題なので、この委員会でその方向性を出さねばならないとした。

 (4)独自に所蔵・公開するか寄贈するか

 独自所蔵に関して、空き教室問題は、定款に「主たる事務所を江戸川区に置く」とあるので、江戸川区から離れると定款を変える必要がある。首都圏に限らなければ、空き教室はあるが、交通不便地に事務局が移ると理事会や委員会が開催できない。また、空き教室に単に図書だけ置いておくだけになれば、活用が難しく、デメリットも大きい。

 施設の問題よりも重要なのは、研究支援や研究環境の整備・改良等に関して協会図書をどのように位置づけるかということである。それらをベースにして独自所蔵するのか、また、寄贈、寄託する場合は、その理念をどう生かすのかということが問題であるという意見が出た。

 専門書が約6万冊で、現在年間どのような種類の本を何冊受け入れているのか、職員が何人で、週何日開くのか、コピーサービス・目録作成等をするかを決めれば、独自に所蔵するために必要な部屋の大きさや必要な書架の本数も計算でき、必要な経費を算出することができる。次回までにデータをそろえ、算出することとした。

 泉委員長が、以上のことをまとめ、図書の収集・受入れ停止文書の問題は、本委員会としては継続して収集すべきと考えるが、理事会で検討してもらいたいと述べた。独自所蔵、一括寄贈、分割寄贈、寄託等の各ケ−スについては、安江委員から算出デ−タを得て、次回以降改めて検討するとした。

 次回は、本日の検討事項を整理して具体的な検討を行うとし、12月には会員への情報発信とともに、アンケ−ト調査を行いたいと述べた。

 アンケート用紙を12月刊行の『会報』発送に間に合せるには、10月中に開催する必要があり、協議の結果、第3回の特別委員会は以下の通りとなった。

以上