会長挨拶

会長就任あいさつ

 

 

 

  

 

一般社団法人日本考古学協会  会長 辻 秀人

 

   このたび、理事会で会長に選任されましたので、就任にあたり、ご挨拶申し上げます。

   皆様ご承知の通り、2020年度は、日本社会全体が新型コロナウイルス蔓延のため、大変厳しい事態に直面し、社会活動の変容が求められる事態となりました。日本考古学協会も会員の皆様の安全確保を最優先とし、残念ながら春の総会、秋の大会のいずれも開催を見送りました。厳しい状況にあっても可能な限りで活動を継続し、来年度には総会、大会を開催すべく準備を進めて参ります。皆様方のご支援をお願い申し上げます。

 さて、日本考古学協会は、1948年に考古学の発展と社会に対する責任を遂行することを目的として設立され、激動する社会の中で70年を越える活動を展開してきました。私も先達が築いてきた輝かしい伝統を引き継いで、困難な状況に負けず、会員の皆様とともに継続、発展させていきたいと思います。

  日本考古学協会の活動の一つの柱は、考古学研究を発展、深化させる事にあります。そのために総会、大会を開催して研究成果を共有し、シンポジウム等では意見を戦わせてきました。今後は研究をさらに活発化させると共に、研究成果を社会にお伝えし、歴史理解を深める活動にも力を注いでで行きたいと思います。

 もうひとつの柱は、考古学研究者の社会に対する責任を遂行する活動です。貴重な埋蔵文化財の適切な保護、災害による被災文化財の保全、修復、保管などの対応、「これからのアイヌ人骨・副葬品に係る調査研究の在り方に関するラウンドテーブル」への参加などを積極的にすすめていきたいと思います。特に、近年は気象の変化が激しくなり、大規模な河川の氾濫が頻発するようになりました。これに伴い、文化財が流失、水没するなどの被害も多発しています。協会としては考古学の立場から文化財の保管のあり方、文化財収蔵施設などについて検討し、提言していく必要があると思っています。

 日本考古学協会は会員数4千人を超える日本最大の考古学会です。考古学研究を活発化し、成果を社会に還元し、社会的な責務を果たしていく必要があります。大きな学会を動かしていくのは容易ではありませんが、会員の皆様と共に一生懸命日本考古学協会を運営していきたいと思います。

 改めて会員の皆様のより一層のご支援、ご協力をお願いして、会長就任のご挨拶といたします。