埼玉県北本市デーノタメ遺跡の保存についての要望書(回答)

北教文発第 90 

令和2年1月27

 

 

一般社団法人日本考古学協会

埋蔵文化財保護対策委員会

委員長 藤 沢  敦  様

 

 

北本市長              三 宮 幸 雄

北本市教育委員会教育長 清 水   隆

 

 

埼玉県北本市デーノタメ遺跡の保存についての要望書(回答)

 

 

  一般社団法人日本考古学協会の皆様におかれましては、昭和 23 年の設立以来、 日本考古学の発展と文化財の保護と活用に御尽力されておりますことに、心から敬意を表する次第です。

  このたび令和 10 日、近藤英夫副会長様をはじめ、埋蔵文化財保護対

策委員会の小笠原永隆事務長様、松本富雄幹事様には、本市にお越しいただいた際に貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございました。

  デーノタメ遺跡は、縄文時代中期から後期の大規模集落が良好に遺存するとともに、集落が利用していた低地遺跡が隣接することから、当時の環境変化や植物資源利用の実態にかかわる多様な情報を残している遺跡です。

  要望書では、こうした本遺跡の特色について全国的に見ても稀有な遺跡であるとの評価をいただき、デーノタメ遺跡が極めて重要な遺跡であるとの認識を 新たにしたところでございます。

  御要望につきましては、下記のとおり回答いたします。

 

 

 

1 現在、本遺跡を国指定史跡とするため、遺跡内に計画されている土地区画整理事業、都    市計画道路の進捗状況を精査し、これら既存の計画と遺跡の共存に向けた方策について慎重に検討を進めており、早期に方針を定められるように努めてまいります。

 

2 遺跡の北西に広がる低地遺跡は、本遺跡にとって重要なエリアと理解しておりますので、今後も泥炭層の広がりを明らかにする調査を計画的に継続してまいります。

3 遺跡の重要性と魅力を市民、県民に広く発信し、本遺跡を住民の共有財産として地域づくりに活かせるよう、その仕組みづくりに努めてまいります。

 

 今後とも、市民をはじめとする関係機関の御意見、御要望に傾聴しながら、地域の歴史資源を活かし、魅力的で住みよいまちづくりを進めていく所存でございます。貴協会には御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、デーノタメ遺跡の保存と活用について、御指導を賜りますよう重ねて願い申し上げます。