鎌倉市円覚寺境内西側結界遺構の保存に関する要望書について(回答)

鎌教委第 3175

平成27212

 

一般社団法人日本考古学協会

埋蔵文化財保護対策委員会

委員長 矢島 國雄 様

 

鎌倉市教育委員会

教育長 安良岡  靖史

 

鎌倉市円覚寺境内西側結界遺構の保存に関する要望書について(回答)

 

日頃より本市の文化財行政にご協力賜り誠にありがとうございます。

 さて、貴協会が保存をご要望される標記「鎌倉市円覚寺境内西側結界遺構」は、JR横須賀線北鎌倉駅下り線ホーム脇の中ほどにある小さな洞門のある岩塊と推量されますが、要望書には貴協会が称する名称としての明確な根拠が示されておらず、正式に命名されているものでもないため、以下「当該岩塊」と表記いたします。

 当該岩塊に隣接する円覚寺境内は「史跡円覚寺境内」として国指定史跡に指定されていますが、当該岩塊は史跡の範囲外であり、「円覚寺旧境内遺跡」として周知された埋蔵文化財包蔵地となっています。

 したがいまして、史跡指定範囲外に所在する当該岩塊については、通常の埋蔵文化財包蔵地として取り扱うこととなり、工法等の確定に基づき発掘調査の要否が決定されます。

 発掘調査を行った場合は、その成果に基づき当該岩塊の価値判断を行うこととなりますが、同時に近隣住民の生活環境や安全確保等を考慮し対応を図ることが必要であるため、専門家のご意見を参考にしながら、適切な対応を検討してまいりたいと考えています。