高知市浦戸城跡の保存と活用に関する要望書について(回答)
26高教民第500号
平成27年3月24日
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 矢島 國雄 様
高知市長 岡﨑 誠也
高知市教育長 松原 和廣
高知市浦戸城跡の保存と活用に関する要望書について(回答)
日頃は当市の埋蔵文化財行政について、多くのご指導を賜り感謝申し上げます。
さて、2015年2月23日付けでいただきました標記のご要望書について、下記の通り回答いたします。
記
1 浦戸城跡の歴史的価値と景観を損ねる、坂本龍馬記念館新館の城域内への建設を中止すること。
(回答)
浦戸城跡は、四国の平定をほぼ成し遂げた長宗我部氏の最後の居城として歴史上重要であることは、ご指摘のとおりです。このため、当市におきましても、天守跡と国民宿舎改築時に出土した石塁及び石垣群につきましては、高知市史跡に指定し保存を図っているところです。
今回の高知県による坂本龍馬記念館の増築計画におきましては、文化財保護法に基づく所定の手続きにより現状の確認を行うこととなっております。そして、この新館は貴重な資料を収蔵・展示する博物館の機能を強化し、また、周辺環境との調和に十分配慮して建設されるものと理解しておりまして、本市の文化、観光両面からも期待できる施設であると考えております。
2 浦戸城跡の歴史学的・考古学的内容を正確に把握し、その保護・整備・活用を図り、浦戸城跡の国史跡化に向けて取り組むこと。
(回答)
浦戸城跡は、優れた眺望の地であることから、残念なことに昭和40年代以降の大規模開発により大半の遺構は、破壊・改変を受け消滅しており、市史跡を除くと実見できるのは、西の尾根沿いにある4本の堀切などに限られます。城跡の山斜面には、未発見の遺構が残存している可能性はありますが、現地は急斜面に立地しており、また地震津波時には地元住民の避難場所にもなることから他の開発の恐れは少ないと考えられます。
このような観点から、本市といたしましては、今後、浦戸城跡をどのように検証していくかについて、庁内関係部局で検討するとともに、県とも協議していく必要があると考えております。