会長声明 日本学術会議声明<次世代につなぐ日本学術会議の継続と発展に向けて ~政府による日本学術会議法案の国会提出にあたって~>を強く支持します

 日本学術会議は、先般4月15日に<次世代につなぐ日本学術会議の継続と発展に向けて~政府による日本学術会議法案の国会提出にあたって~>を発出しました。

 日本学術会議は、第二次世界大戦を経て、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命として日本学術会議法に基づいて設立された日本のアカデミーであり、内閣総理大臣の所轄のもと、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として1949年に設立されました。

 しかるに、政府が今国会に提出した日本学術会議にかかる法律案は、現行の日本学術会議を廃止して新たに法人として設立する内容です。日本学術会議の声明は、この法律案は問題が多く、日本学術会議と政府との信頼関係を損なうのではないかという懸念から発せられました。そして、ナショナルアカデミーとして組織が満たすべき5要件(①学術的に国を代表する機関としての地位、②そのための公的資格の付与、③国家財政支出による安定した財政基盤、④活動面での政府からの独立、⑤会員選考における自主性・独立性)を示した上で、国会において修正の可能性を含め、十分に慎重な審議を求めています。この声明が決定された第194回日本学術会議総会では、「日本学術会議法案の修正について」の決議もなされ、上記5要件の充足と、会長が示した5項目の懸念をすべて払拭することを求めています。

 1948年に創設された日本考古学協会も、日本学術会議の設立過程と歩調を合わせるように戦後の新しい学術体制の整備を目指したもので、考古学研究を通して学術の進歩および学術成果をもとに社会の発展に寄与することを目的としています。

 私たち日本考古学協会は、日本学術会議の今般の声明と決議を強く支持することをここに表明し、その趣旨が誠実に履行されることを求めます。

 

2025年4月25日

一般社団法人 日本考古学協会 

会長 石川 日出志