埼玉県北本市デーノタメ遺跡の保存についての要望書

埋文委 第12号
2020年1月10日


文化庁長官 宮田 亮平 様
埼玉県知事 大野 元裕 様
埼玉県教育委員会教育長 小松 弥生 様
北本市長 三宮 幸雄 様
北本市教育委員会教育長 清水 隆 様


一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢 敦


埼玉県北本市デーノタメ遺跡の保存に係る要望について


標記の件について、別添書類の如く、当該地は学術上極めて重要な内容をもつものでありますので、貴殿におかれましては、包蔵された埋蔵文化財について、適切な取り扱いをしていただくことを要望いたします。
なお、まことに恐縮ですが、当件の具体的な措置、対策については2020年1月24日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。



一、別添書類 一通


以上



埋文委 第12号
2020年1月10日


文化庁長官 宮田 亮平 様
埼玉県知事 大野 元裕 様
埼玉県教育委員会教育長 小松 弥生 様
北本市長 三宮 幸雄 様
北本市教育委員会教育長 清水 隆 様


一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢 敦


埼玉県北本市デーノタメ遺跡の保存についての要望書


埼玉県北本市に所在するデーノタメ遺跡は、2000年度から実施された発掘調査と内容確認調査の結果、縄文時代中期から後期の大規模集落であることがわかりました。隣接する低湿地の利活用の様相も知ることができ、日本列島の縄文時代を解明
するうえできわめて重要な遺跡であると言えます。先日刊行された『デーノタメ遺跡総括報告書』によれば、縄文時代中期後半から後期前半にかけて約1,200年間継続した大規模集落があり、その北西側に広がる低地部に堆積した同時期の自然環境を伝える良好な土壌堆積がみられるとともに、朱塗土器や漆製品(腕輪・糸)などの遺物、トチの実のアク抜きのための施設やクルミ殻などの食糧残滓の捨て場跡などの遺構、さらに食用植物種子や木材などの植物遺体が多く検出されています。すなわち、当時の人々の生活環境、さらには生活を復元するための貴重な情報が、集落跡とともに豊富に残されています。
また、こうした貴重な情報を有する遺跡の全体が、ほぼ手つかずの状態で維持されていることも、全国的に見て稀有な例ということができます。以上のことから、一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、以下のような措置が講じられることを強く要望します。



1 デーノタメ遺跡の史跡化に向けた計画を立案し、速やかに実行すること
2 デーノタメ遺跡の北西側低湿地の遺構・遺物の分布状況を把握し、遺跡の範囲を拡張すること
3 デーノタメ遺跡を住民共有財産として、地域づくりに係る活動等に活用する計画を策定し、実践すること
 

以上
 


埋文委 第12号
2020年1月10日


文化庁
長官 宮 田 亮 平 様


一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢 敦


埼玉県北本市デーノタメ遺跡の保存に係る要望について


標記の件について、別添書類の如く、当該地は学術上極めて重要な内容をもつものでありますので、貴殿におかれましては、包蔵された埋蔵文化財について、適切な取り扱いをしていただくことを要望いたします。
なお、まことに恐縮ですが、当件の具体的な措置、対策については2020年1月24日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。



一、別添書類 一通


以上



埋文委 第12号
2020年1月10日


文化庁
長官 宮 田 亮 平 様


一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢 敦


埼玉県北本市デーノタメ遺跡の保存についての要望書


埼玉県北本市に所在するデーノタメ遺跡は、2000年度から実施された発掘調査と内容確認調査の結果、縄文時代中期から後期の大規模集落であることがわかりました。隣接する低湿地の利活用の様相も知ることができ、日本列島の縄文時代を解明するうえできわめて重要な遺跡であると言えます。先日刊行された『デーノタメ遺跡総括報告書』によれば、縄文時代中期後半から後期前半にかけて約1,200年間継続した大規模集落があり、その北西側に広がる低地部に堆積した同時期の自然環境を伝える良好な土壌堆積がみられるとともに、朱塗土器や漆製品(腕輪・糸)などの遺物、トチの実のアク抜きのための施設やクル
ミ殻などの食糧残滓の捨て場跡などの遺構、さらに食用植物種子や木材などの植物遺体が多く検出されています。すなわち、当時の人々の生活環境、さらには生活を復元するための貴重な情報が、集落跡とともに豊富に残されています。
また、こうした貴重な情報を有する遺跡の全体が、ほぼ手つかずの状態で維持されていることも、全国的に見て稀有な例ということができます。以上のことから、一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、以下のような措置が講じられることを強く要望します。



1 デーノタメ遺跡の史跡化に向けた計画を立案し、速やかに実行すること
2 デーノタメ遺跡の北西側低湿地の遺構・遺物の分布状況を把握し、遺跡の範囲を拡張すること
3 デーノタメ遺跡を住民共有財産として、地域づくりに係る活動等に活用する計画を策定し、実践すること
 

以上