島本町越谷遺跡(御所池地区)調査についての照会文書の送付について

埋文委 第7号

2022年9月16

 

島本町教育委員会教育長 中村 りか 様

 

一般社団法人日本考古学協会

埋蔵文化財保護対策委員会

委員長 山田 康弘

 

 

島本町越谷遺跡(御所池地区)調査についての照会文書の送付について

 標記の件について、当該遺跡は学術上きわめて重要な内容を有するものであり、その適切な取り扱いついて要望し、ご回答をいただいたところですが、その後の調査について貴職にお尋ねしたい点がございます。

 なお、まことに恐縮ですが、当照会へのご回答につきまして、20221014日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にお送りくださるようお願いいたします。

 1 提出書類
   別添のとおり 1通

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

埋文委 第7号

2022年9月16

 

 

島本町教育委員会教育長 中村 りか 様

 

一般社団法人日本考古学協会

埋蔵文化財保護対策委員会

委員長 山田 康弘

 

越谷遺跡(御所池地区)の調査について(照会)

 日頃より、一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会(以下「当委員会」という)の活動に、ご理解・御協力を賜り感謝申し上げます。

 さて、標記の件につきまして、当委員会より、2022625日付け埋文委第2号において要望書を提出したところです。これに対し、貴台より2022713日付け島教生第631号において丁重にご回答をいただきました。このことについて、改めて御礼申し上げますと共に、その後の越谷遺跡(御所池地区)の発掘調査をめぐる状況に関して、以下の通りお尋ね申し上げます。なお、照会項目はこれらの要望書および回答書に準じております。

 

 

1. 島本町文化財保護審議会の現地見学が、本年89日午前中に実施されたと仄聞いたしております。ついては、審議会委員のご意見はいかがでしたでしょうか。

 また、回答の後段に記されている有識者による意見はお聞きになりましたでしょうか。お聞きの場合は、貴教育委員会の照会内容と、それに対する有識者のご回答及びそれについての対応をご教示ください。

 

2. 本年89日に当委員会の委員による視察が行われました。その報告によれば、西側のトレンチにおいて庭園遺構の構成要素である州浜状突起の一部と思われる遺構(盛り土)が検出されています。さらに州浜状突起は、埋設管設置等によってその大半が大きく損壊されていることが認められました。

ついては当該トレンチの周辺において、改めて州浜状突起をその上面から精査する必要があると思われますが、そうしたトレンチ拡張など追加調査の措置はとられましたでしょうか。また、追加調査を実施する場合の調査方法についてもご教示ください。

 

3. 上記の通り、当委員会では西側トレンチで検出された盛り土遺構に関して、庭園遺跡を構成する州浜状遺構の可能性が高いと判断しております。また、この庭園遺跡は後鳥羽上皇の水無瀬離宮に関連するものと推測しています。

すなわち越谷遺跡は国指定史跡に値するほどの重要遺跡だと認識しておりますが、本遺構ならびに遺跡全体の重要性に関して、貴教育委員会ではどのように認識されているでしょうか。また、今後は有識者による指導委員会を組織し、指導・助言を受けながら調査・保護することが必要と思われますが、貴教育委員会のお考えをご教示ください。