島本町越谷遺跡(御所池地区)の調査について(回答)
教文第2387号
令和4年10月14日
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 山 田 康 弘 様
大阪府教育委員会
教育長 橋 本 正 司
島本町越谷遺跡(御所池地区)の調査について(回答)
令和4年9月16日付け埋文委第7号で送付のあった標記の件について、別紙のとおり回答します。
(要望項目)
1.越谷遺跡(御所池地区)の調査に際し、島本町教育委員会が貴教育委員会に対して、指導を依頼したことはございますか。
2.本年8月9日に当委員会の委員による視察が行われました。その報告によれば、西側のトレンチにおいて庭園遺構の構成要素である州浜状突起の一部と思われる遺構(盛り土)が検出されています。さらに州浜状突起は、埋設管設置等によってその大半が大きく損壊されていることが認められました。
ついては当該トレンチの周辺において、改めて州浜状突起をその上面から精査する必要があると思われます。この点について貴教育委員会のお考えをご教示ください。
3. 上記の通り、当委員会では西側トレンチで検出された盛り土遺構に関して、庭園遺跡を構成する州浜状遺構の可能性が高いと判断しております。また、この庭園遺跡は後鳥羽上皇の水無瀬離宮に関連するものと推測しています。
すなわち越谷遺跡は国指定史跡に値するほどの重要遺跡だと認識しておりますが、本遺構ならびに遺跡全体の重要性に関して、貴教育委員会のお考えをご教示ください。
(回答)
- について回答
指導の依頼はありません。島本町教育委員会から随時情報提供をいただきながら発掘調査の状況の把握、助言を行っております。
2.について回答
「州浜状突起」とされる地形については、島本町教育委員会において外部有識者の視察等を踏まえながら引き続き調査が行われると聞いております。現在の開発に伴う発掘調査のトレンチ周辺における調査の必要性については、島本町教育委員会において判断されるものと考えております。
3.について回答
越谷遺跡については、今後島本町教育委員会により調査成果にかかる整理等作業が行われ、報告書が適切に作成されるものと認識しております。なお、これまでの島本町教育委員会からの情報提供において、現地保存を要するような重要性を示す遺構等が検出されているという内容は含まれておりません。