北九州市城野遺跡の保存と活用に関する再要望書への回答について 2016年2月19日
埋文委 第10号
2016年2月19日
北九州市長 北 橋 健 治 様
北九州市市民文化スポーツ局長 大 下 徳 裕 様
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 矢 島 國 雄
北九州市城野遺跡の保存と活用に関する再要望書への回答について
平素より、日本考古学協会の活動に関しまして、ご理解とご協力をいただき感謝いたします。
さて、先般、貴市民文化スポーツ局長より、2016年1月21日付け北九市文文第2610号ならびに2月2日付け北九市文文第2752号により、城野遺跡の保存要望に係る当埋文委第8号に対する回答がありました。貴回答文を検討させていただきましたところ、その内容にはきわめて遺憾なところがあります。
貴回答文中の、「1 平成23年貴会要望後の経緯について」のなかに、「なお、移築保存への方針転換については、石棺を取り上げる前の平成26年1月に、貴会の田中良之元会長に説明を行っており、貴会には報告していると認識しております。」と記載されております。2011年2月の当委員会からの城野遺跡の現状保存の要望に対しては、同年3月に貴市教育委員会教育長から「城野遺跡内の重要遺構について、どのような保存が可能か検討していきます。」との回答が寄せられていました。しかし、その後の重大な方針変更に関しては、貴市からの正式な文書による通知は一切いただいておりません。にもかかわらず、今回の貴回答文の記載は、あたかも日本考古学協会が遺構の現地保存を断念することを了解していたかのような表現であります。さらに、故田中元会長個人に責任を負わせるかのような誤解を招く文言であり、故人の名誉に関わる問題であります。当委員会としましては、公的文書のなかに、経緯が不確かな元会長個人への通告に関する言及があることは、きわめて遺憾なことと考えます。
以上のことから、今回の貴市からの回答について強く抗議するとともに、その内容に関しては容認できないことを申し添えておきます。
以上