鎌倉市円覚寺境内西側結界遺構の保存に関する要望書について(回答)

鉄道路第906

平成27213

 

一般社団法人日本考古学協会

埋蔵文化財保護対策委員会

委員長 矢島 國雄 様

 

鎌倉市長  松 尾  崇

 

鎌倉市円覚寺境内西側結界遺構の保存に関する要望書について(回答)

 

 

 貴協会からいただきました要望書につきまして、次のとおり回答いたします。

 素掘りの北鎌倉隧道(以下「トンネル」という。)は、作られてから概ね80年程度経過していると考えられ、トンネル内部や出入り口には、風化によるひび割れが見られ、過去にもたびたび崩落が発生しています。

 また、トンネルの線路側の壁は、薄い所で50cm程度の厚みであり、その部分で崖上(山)の荷重を支えているものと推測されます。

 平成17年度に実施したトンネル点検調査の結果では、トンネルは「現状においてはかろうじてその安定性を保っているものと想定される」、平成25年度に再度実施した点検調査の結果では、「固結度の低い地山状態に加え、風化・浸食や樹根の侵入等の影響により、坑口やトンネルの天端における剝離・崩落の危険性が高まっている状態と判定される」との見解が示されています。

 線路側の壁が崩落した場合は、トンネルの上部の崖が崩落し、隣接するJR横須賀線軌道敷(ホームや線路内)への影響や、線路近接家屋への二次災害も懸念されます。

 そのため、平成2610月の台風18号による大雨の際には、トンネルを利用する歩行者、車両共に全面通行禁止とし安全確保に努めました。

 市といたしましては、トンネル周辺の方々から安全対策についての御要望があることに加え、トンネルを利用する地元住民や通園通学で利用する児童生徒及び鉄道を利用する方々の安全を確保するため、早急な安全対策が必要と考えております。

 なお、トンネルの安全対策については、安全性の確保を第一とする御意見と、景観への配慮を第一とする御意見があることは承知しておりますので、市民の皆様の御意見を十分伺いながら、解決策を検討してまいります。

 また、現在、トンネルの安全対策につきましては、地元の町内会・自治会、学校関係者及び関係地権者で構成する「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」において、協議しております。

 今後とも、安全で快適な道路環境の整備に努めてまいりますので、御理解、御協力を賜りますようお願いいたします。

 

 

事務担当は、都市整備部道路課整備担当