「北九州市城野遺跡の破壊についての抗議」における要望に対する回答について


一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長藤沢敦様

北九州市長

北橋 健治

「北九州市城野遺跡の破壊についての抗議」における要望に対する回答について

平成31年3月11日付、埋文委第13号で本市に要望のありました標記のことについて、下記のとおり回答します。

 

 

1遺跡破壊にいたった経緯を詳らかにし、再発を防ぐ手立てを講ずること。

(回答)
今回の事案は、城野遺跡市所有地の隣接地における開発工事において、市有地が一部掘削されたことにより、城野遺跡方形周溝墓の周溝部分が一部損壊したものです。
原因については、造成工事関係者の誤った判断や、誤認等が重なり、今回の掘削に至った、と報告を受けています。
具体的には、造成工事設計者が、先述の事前協議の場での説明にもかかわらず、一部市有地側の掘削が可能であると判断したこと、また、現場に対しても、適切な指示がなされなかったことから、今回の事案につながった、との報告を受けています。
さらに、施工前に、市との協議が必要であったにもかかわらず、造成工事関係者がすでに協識済みと誤認していたことが、原因です。
文化財の保護に努めていた中で、結果として文化財が損なわれたことについて重く受け止めています。
今回の事案について、造成工事関係者に強く指導するとともに、今回損壊した箇所の復旧については、本市文化財担当者と十分に協議して行うよう求めています。
今後、このようなことがないよう、重要な遺跡等に近接する開発工事の際には、開発業者に、市と十分協議するよう求めるなど、一層の指導を行うとともに、文化財担当者による工事立ち合いを強化するなど、文
化財の保護に取り組みたいと考えています。

2今回の反省にたって、城野遺跡の方形周溝墓域を、速やかに史跡として整備し、保存・活用を図ること。

(回答)
城野遺跡については、平成30年9月に、寄付及び購入により方形周溝墓付近の約970m2を取得しており、史跡指定を行うことで、保謹を図りたいと考えています。
今後は、福岡県教育委員会とも協議し、本事案での損壊を復旧した後に、市民に親しまれる史跡として整備し、文化財の保存・活用を図りたいと考えています。