鴨川市及び南房総市に所在する嶺岡牧の保存に関する要望書について(回答)
鴨教生第1141号
平成31年2月25日
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢 敦 様
鴨川市教育委員会 教育長
鴨川市及び南房総市に所在する嶺岡牧の保存に関する要望書について(回答)
2019年1月24日付け埋文委第10号で要望のあったこのことについて、下記のとおり回答いたします。
なお、本件につきましては、同様のご要望を鴨川市長宛にもいただいておりますが、教育委員会から併せて回答させていただきますのでご了承願います。
【要望】
1 野生動物により嶺岡牧の遺構被害の実態を確認し、旧状に復すること。
2 露出している嶺岡牧遺構の3D測量など記録化を行い、野生動物による被害を受けた場合でも復元ができるようにすること。
3 嶺岡牧の遺構に対する野生動物の被害が発生しないよう、荒れた山林を開地化し日常的に人が管理を行うなどの対策を講じること。
【回答】
この度、貴協会から保存の要望がありました嶺岡牧につきましては、この地を治め
た里見氏と正木氏の時代、その後の江戸幕府直轄牧を経て、明治以降は民間会社の組
織となり明治末まで存続した、我が国の近代酪農発祥の地として貴重な価値を有する
文化遺産であると認識しております。
また、嶺岡牧の範囲内に残存する野馬土手群は、周知の埋蔵文化財包蔵地であり、
保存に努めることが大切であると受け止めております。
現在、嶺岡牧の保存と周知活用を図るため、関係自治体と連携して、嶺岡牧、佐倉
牧、小金牧を合わせて房総の牧を日本遺産への認定を目指して申請しているところで
す。また3月には、鴨川市及び本市教育委員会では、一般の方々を対象としてシンポジウムを開催するなど、嶺岡牧の価値を明確にし、保存と周知とともに有効活用に努めているところです。
近年、本市をはじめ県内の山林ではイノシシやシカ・キョンなどの野生動物の繁殖が著しく、農作物の被害も多発している状況にあり、その対策には本市のみならず関係自治体では、大変苦慮しているところです。
今後、野生動物の対策も含め、嶺岡牧の遺構については、西牧と柱木牧に野馬土手
が残る南房総市と連携を密にし、千葉県教育庁教育振興部文化財課の助言の下、保存
を図ってまいりたいと考えております。