奈良市登大路瓦窯跡群の保存に関する要望書(回答)

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤 沢   敦 様

 

                   奈良県教育委員会事務局文化財保存課
                         課 長 名 草 康 之
                    奈良県地域振興部文化振興課
                         課 長 桐 田 健 吾

 

「奈良市登大路瓦窯跡群の保存に関する要望書」について(回答)

 平成30年1月12日付けで送付のあった標記の要望書について、下記のとおり回答します。

 

 今回、文化会館・美術館及びその周辺整備事業に伴う事前調査として発掘調査を実施中の登大路瓦窯跡群については、上面において確認できた瓦窯跡の残存状態が良くない状況であることから、十分な発掘調査によって窯跡群の実態を明らかにするとともに地上3D計測などを含む詳細な記録を作成する作業を慎重に行ってまいりました。

 その結果、3基の瓦窯跡を中心とする最下層の遺構群については、重要文化財「造興福寺記」の記載とも対比しうる学術的にとくに重要度の高い遺構群である可能性が出てきたことから、うち1基の遺存状態が比較的良いことも考慮し、いったん埋め戻しをいたしました。

 最下層の遺構群については、今後遺物整理を通じて詳細な時期を検討するとともにその価値付けを行い、適切に対応してまいります。