国史跡徳島城跡隣接地の埋蔵文化財保護に関する要望書

埋文委 第11号
2021年1月25日

 

 文化庁長官       宮 田 亮 平 様
 徳島県知事       飯 泉 嘉 門 様
 徳島市長        内 藤 佐和子 様
 徳島市教育委員会教育長 松 本 賢 治 様

 

                                                           一般社団法人日本考古学協会  
                                                            埋蔵文化財保護対策委員会                                                               委員長 藤 沢   敦  

 

 

国史跡徳島城跡隣接地の埋蔵文化財保護に関する要望書の提出について

 

 標記の件について、別添書類のように、当該遺跡は学術上きわめて重要な内容を有するものであり、貴職におかれましては、適切な保存の対策が講じられることを要望いたします。

 なお、まことに恐縮ですが、当件に係る具体的な措置および対策につきまして、2021年2月15日(月)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。

 

 

1 提出書類

   別添のとおり 1通


埋文委 第11号
 2021年1月25日

 

 文化庁長官       宮 田 亮 平 様
 徳島県知事       飯 泉 嘉 門 様
 徳島市長        内 藤 佐和子 様
 徳島市教育委員会教育長 松 本 賢 治 様

 

                                                           一般社団法人日本考古学協会    
                                                            埋蔵文化財保護対策委員会                                                               委員長 藤 沢   敦  

 

 

国史跡徳島城跡隣接地の埋蔵文化財保護に関する要望書

 

 近世徳島城は蜂須賀氏の阿波支配の拠点として、地域史、城郭史にとどまらず戦国末期から江戸時代にいたる我が国の政治史そのものを考える上できわめて重要です。石垣、枡形、庭園、内堀等の遺構もよく残っており、徳島市街の中心部に位置していることから市民にも親しまれてきた場所です。

 今回、その一画において新音楽ホールの建設計画が進行しているとの情報に接し、当該地点が徳島城城内の三木曲輪に当たることから、私たち日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会はかねてより強い関心を寄せておりました。2020年12月22日には、徳島県未来創生文化部文化資源活用課と懇談の機会を設けさせていただき、また懇談後には現地も視察確認し、建設予定地における埋蔵文化財そして歴史的景観の重要性を強く認識してきたところです。

 建設予定地は、徳島市・徳島県の試掘調査においても、長蔵建物礎石や遺構面が確認され、寺島川に掛かっていた寺島橋門台の石垣も出土し、近世城郭徳島城の一画、三木曲輪の一部にあたることが確実な空間です。また東側徳島の武家屋敷地区と西側寺島をつなぐ門台を含み、徳島城城下町から現在の徳島市にいたる市街地の成り立ちを知る上でも、きわめて重要な場所と評価されます。さらに、現国道192号線で南北に分断されているとはいえ、192号線がJR牟岐線下で半地下に潜るため、北の徳島城中心部となお一体の歴史的景観を保っている場所でもあります。

 以上のことから、一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、新音楽ホール建設にあたって、埋蔵文化財保護の観点より以下の通り要望致します。

 

 

1 新音楽ホール建設予定地について、近世城郭徳島城の一画、国史跡徳島城跡隣接地として、現地保存を念頭にお いた埋蔵文化財保護に努めること。

2 当該地点の埋蔵文化財にかかわる専門的知見・評価を収集し、埋蔵文化財保護に反映させる方策を講じること。