高輪築堤跡の保存に関する要望書に対する回答(3)

2021年2月15日
東日本旅客鉄道株式会社

 

「高輪築堤跡の保存に関する要望書」への回答について

 

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。日頃、弊社の業務にご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。貴協会からいただきました要望書について別紙のとおり、回答させていただきます。

                                   敬具


 

高輪築堤の保存等について

 

 2019年11月に実施した山手線および京浜東北線の線路切り替え工事後、レールの直下から、約150年前の日本初の鉄道開業時の高輪築堤の一部が良好な状態で出土したことは、鉄道会社である弊社にとって大変意義深いものであると考えています。現在、この高輪築堤について、有識者、港区教育委員会をはじめとする関係の方々からのご指導・ご助言を賜りながら、調査方法等の検討を進めております。

 品川開発プロジェクトは、国家戦略特別区域計画として内閣総理大臣認定された都市計画等を踏まえ、国内外から先進的な企業と人材が集い、多様な交流から新たなビジネス・文化が生まれるまちづくり、100年先の未来を目指す国際交流拠点としてのまちづくりを目指しています。

 今回、高輪築堤が出土したことを契機に、弊社は、近代の転換期に先人たちが築いた鉄道構造物の歴史的意義や当時の土木技術を次世代に継承していくため、まちづくりとの調整をはかるべく、現地における全面保存ではなく、一部現地保存と移築保存を通じた公開展示などの検討を進めています。

 本年1月に実施した見学会の参加者、地域のみなさま等からも公開展示について多くの要望を頂いており、高輪築堤を多くの方々に見て触れていただき、地域の文化的遺産として永く継承していくことを進めてまいります。

 また、調査等により得られた知見を活かして、周辺地域も含めた歴史・文化を学べるプログラム等を実施していきます。

 弊社は、日本初の鉄道開業時の高輪築堤の調査・保存・活用を通じて、明治初期の近代化、国際化の技術や志を、これから100年先の未来を目指す国際交流拠点・品川のまちづくりの象徴として再生し、地域の歴史価値向上と地域社会への貢献を目指してまいります。貴協会におかれましても、ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。