国史跡徳島城跡周辺の埋蔵文化財保護に関する要望書

埋文委 第5号

2024年1月30日

文化庁長官  都倉俊一 様

徳島県知事  後藤田正純 様

徳島市長   内藤佐和子  様

徳島市教育長 松本賢治 様

一般社団法人日本考古学協会

埋蔵文化財保護対策委員会

委員長  山田康弘

 

国史跡徳島城跡周辺の埋蔵文化財保護に関する要望書

 標記の件について、別添書類のように、当該遺跡は学術上きわめて重要な内容を有するものであり、貴職におかれましては、適切な保存の対策が講じられることを改めて要望いたします。

 なお、まことに恐縮ですが、当件に係る具体的な措置および対策につきまして、2024年2月22日(木)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。

 

 1 提出書類

   別添のとおり 1通


埋文委 第5号

2024年1月30日

文化庁長官  都倉俊一 様

徳島県知事  後藤田正純 様

徳島市長   内藤佐和子  様

徳島市教育長 松本賢治 様

一般社団法人日本考古学協会

埋蔵文化財保護対策委員会

委員長  山田康弘

 

国史跡徳島城跡周辺の埋蔵文化財保護に関する要望書

 国史跡徳島城跡隣接地における新音楽ホールの建設計画について、当該地点が徳島城城内の三木曲輪に当たることから、建設予定地における埋蔵文化財そして歴史的景観の重要性を鑑み、私たち日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会では、二度にわたり要望書を提出し、現地保存を念頭においた埋蔵文化財保護の検討を求めてきました。

 これに対して、徳島県・徳島市では国史跡追加指定は行わないものの、発掘調査に基づき地下遺構への適切な保護措置を講じて新音楽ホールの建設を進めていく旨回答いただき、その後事業を進めておられました。

 しかし今般、徳島県においては、新音楽ホール建設計画を抜本的に見直し、藍場浜公園への新ホール建設地の変更、現建設予定地へのJR車両基地の移設、現JR車両基地を含んだ徳島駅北側の開発およびアリーナ整備の構想を発表されました。

 広範囲における国史跡徳島城跡周辺での開発行為は、新たな埋蔵文化財への影響を引き起こします。何より、国史跡徳島城跡に対する文化財保護の視点と検討を欠いたままの開発計画は、徳島市中心部の一画を構成する国史跡徳島城跡の価値を大きく損ねてしまうものと、憂慮いたします。

 以上のことから、一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、今回の新たな開発構想にあたって、埋蔵文化財保護の観点より以下の通り要望します。

 

1.徳島駅周辺における開発計画策定にあたり、国史跡徳島城跡の歴史および現代都市環境における歴史的景観の重要性を、外部有識者の意見も聴きながら適切に評価検討すること。

2.国史跡徳島城跡の歴史的重要性に基づき、史跡範囲の追加等により、国史跡徳島城跡の保護そして活用を一層図っていくこと。