広島城三の丸地区における埋蔵文化財の取扱に関する要望書

埋文委 第2号
2024年7月26日

文化庁長官  都倉 俊一 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広

 

広島城三の丸地区における埋蔵文化財の取扱に関する要望書

 

 標記の件について、別添書類のように、当該遺跡は学術上きわめて重要な内容を有するものであり、貴職におかれましては、適切な保存の対策が講じられることを改めて要望いたします。

 なお、まことに恐縮ですが、当件に係る具体的な措置および対策につきまして、2024年8月23日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。

 1 提出書類

   別添のとおり 1通

 


埋文委 第2号
2024年7月26日

文化庁長官  都倉 俊一 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広

 

広島城三の丸地区における埋蔵文化財の取扱に関する要望書

 これまで、日本考古学協会では広島市中区の中央公園における新サッカースタジアムの建設事業、さらにはそれに関連して史跡広島城跡とその周辺で進められている再開発事業について、埋蔵文化財の学術的価値を尊重し、文化財保護に十分な配慮を要望してきたところです。それにも関わらず、新サッカースタジアムの建設が行われるとともに、三の丸地区での再開発事業が進められていることは遺憾であるとともに、今後の事業の進展に危惧の念を抱かざるをえません。
 とくに、三の丸歴史館およびPark-PFIを活用したにぎわい施設の建設が計画されている地点は、史跡広島城跡に隣接する場所として従来から史跡追加指定の検討が求められていますが、その点が議論されないままに計画が進められていることは、史跡広島城跡の文化財としての価値を減じる行為だと考えられます。
 この地点は近世城郭である広島城および旧陸軍の施設の存在が想定される場所であり、埋蔵文化財についてどのような調査が実施され、その結果がどのように評価されたのかについては、市民に情報が公開されていません。また仮に建物跡などの遺構が確認できなかったとしても、広島城建設のための造成や、旧陸軍施設の建設状況を復元するための貴重な情報が残存することが予想されます。
 以上のような状況を踏まえ、日本考古学協会では次の点を要望します。

1 当該地における埋蔵文化財の状況を適正に把握するための調査を実施し、その成果を公開するとともに、学術的価値について専門家を含む者の判断を仰ぐこと。

2 広島城三の丸で進められている三の丸歴史館およびPark-PFIを活用したにぎわい施設の建設事業について、この場所における史跡追加指定の検討をあらためて実施するとともに、その結果にもとづいて事業計画を見直すこと。

 


埋文委 第2号
2024年7月26日

広島市長  松井 一實 様
(市民局 文化スポーツ部 文化振興課 広島城活性化担当)

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広

 

広島城三の丸地区における埋蔵文化財の取扱に関する要望書

 標記の件について、別添書類のように、当該遺跡は学術上きわめて重要な内容を有するものであり、貴職におかれましては、適切な保存の対策が講じられることを改めて要望いたします。

 なお、まことに恐縮ですが、当件に係る具体的な措置および対策につきまして、2024年8月23日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。

 1 提出書類

   別添のとおり 1通

 


埋文委 第2号
2024年7月26日

広島市長  松井一實 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広

 

広島城三の丸地区における埋蔵文化財の取扱に関する要望書

 これまで、日本考古学協会では広島市中区の中央公園における新サッカースタジアムの建設事業、さらにはそれに関連して史跡広島城跡とその周辺で進められている再開発事業について、埋蔵文化財の学術的価値を尊重し、文化財保護に十分な配慮を要望してきたところです。それにも関わらず、新サッカースタジアムの建設が行われるとともに、三の丸地区での再開発事業が進められていることは遺憾であるとともに、今後の事業の進展に危惧の念を抱かざるをえません。
 とくに、三の丸歴史館およびPark-PFIを活用したにぎわい施設の建設が計画されている地点は、史跡広島城跡に隣接する場所として従来から史跡追加指定の検討が求められていますが、その点が議論されないままに計画が進められていることは、史跡広島城跡の文化財としての価値を減じる行為だと考えられます。
 この地点は近世城郭である広島城および旧陸軍の施設の存在が想定される場所であり、埋蔵文化財についてどのような調査が実施され、その結果がどのように評価されたのかについては、市民に情報が公開されていません。また仮に建物跡などの遺構が確認できなかったとしても、広島城建設のための造成や、旧陸軍施設の建設状況を復元するための貴重な情報が残存することが予想されます。
 以上のような状況を踏まえ、日本考古学協会では次の点を要望します。

1 当該地における埋蔵文化財の状況を適正に把握するための調査を実施し、その成果を公開するとともに、学術的価値について専門家を含む者の判断を仰ぐこと。

2 広島城三の丸で進められている三の丸歴史館およびPark-PFIを活用したにぎわい施設の建設事業について、この場所における史跡追加指定の検討をあらためて実施するとともに、その結果にもとづいて事業計画を見直すこと。