「多良古墳群の保存に関する要望書」について(回答)

文資第1075号
令和6年11月5日

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田広殿

徳島県知事 後藤田 正純

 

「多良古墳群の保存に関する要望書」について
(令和6.10.3埋文委第4号に対する回答)

 

このことについては、次のとおりです。

 

1 前方後円墳1基を含む全5基からなる多良古墳群は、令和5年度と令和6年度の詳細な試掘調査の結果、古墳群の中核を構成する1号前方後円墳と2号円墳は、国史跡の指定を検討すべき、極めて重要な遺跡であると考えます。一方、3号円墳、4号円墳及び5号円墳は、1号前方後円墳との直接的な関係性や類似性が、確認されていないことから、古墳群の中では、1号墳及び2号墳に比べて、相対的には、希少性は低いと判断できます。このことから、1号墳及び2号墳については、事業者に対して現地での保存を要請し、本年7月、了承されたところです。
今後とも、海陽町と連携し、文化庁及び徳島県文化財保護審議会においてご意見をいただきながら、専門的知見・評価を収集し、適切な保護を図って参ります。

 

2 多良古墳群の歴史的重要性の詳細を明らかにするために、海陽町文化財保存活用検討委員会(多良古墳)が、令和6年11月から設置される予定です。県も支援しながら、この委員会で調査方針の検討を進めて参ります。

 

3 調査成果に基づき、海陽町の意向も踏まえ、1号前方後円墳及び2号円墳の史跡指定について、海陽町文化財保存活用検討委員会(多良古墳)において検討を重ねるとともに、保存活用についても議論を深めて参ります。