「大社基地遺跡群主滑走路跡」南側の市道予定地の保存に関する要望書について(回答)

文財第265号
令和4年(2022)10月5日

一般社団法人日本考古学協会
 埋蔵文化財保護対策委員会
  委員長 山 田 康 弘 様

出雲市長 飯 塚 俊 之
(文化財課)  

 

「大社基地遺跡群主滑走路跡」南側の市道予定地の保存に関する要望書について(回答)

 

 2022年6月24日付埋文委第1号で、出雲市長及び出雲市教育委員会教育長に対しいただいた要望に対し、下記のとおり回答いたします。

 

【要望内容】
1. 大社基地遺跡群主滑走路跡南側の市道予定地を大社基地遺跡群主滑走路跡の原状を遣す貴重な文化財として保存すること。
2. 大社基地遺跡群主滑走路跡南側の市道予定地を保存・整備し、周辺の基地関連遺構とと もに歴史学習・平和学習の施設として積極的活用を図ること。

 

 当該市道斐川2268号線については、滑走路跡用地の具体的な開発計画を見極めて整備するとしていたため、このたびの民間事業者の開発に伴い市道整備を行います。
 また、滑走路跡のコンクリートにつきましては、道路施工上及び維持管理の観点から検討を行いましたが、コンクリートの上にアスファルト舗装等による道路を敷設することは強度等に問題があることから、保存することは困難です。
 そうした中、主滑走路跡につきましては、その構造及び築造方法に関する記録を取るため、市道整備工事と調整を図りながら、市道整備予定地のコンクリート断面の精査・実測・撮影の記録調査を行いました。今月4日には現場見学会を開催し、市民等に調査の状況を説明したところです。
 さらに、大社基地関連施設群の全体像を把握するため、今年度から計画的に総合調査を行う考えであり、その成果に基づき、施設群の価値付けや今後の活用を検討したいと考えています。
 なお、昨年8月25日付回答でもお答えしたとおり、滑走路跡の一部を歴史学習の場として確保し活用する考えであり、その場所について協議・検討を行っています。
 さまざまなご意見がある中、後世に戦争の記録と記憶を残していくため、今後も関係機関と連携を図りながら取組を進めていく考えです。