埋文委 第8号
2024年3月19日
小山市長 浅野 正富 様
小山市教育委員会教育長 濱口 隆晴 様
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 山田 康弘
小山市の文化財保護体制の整備・充実に関する要望書
標記の件について、別添書類のとおり要望いたします。
なお、まことに恐縮ですが、当件に係る具体的な措置および対策につきまして、2024年4月19日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。
記
1.提出書類
別添の通り 1通
埋文委 第8号
2024年3月19日
小山市長 浅野 正富 様
小山市教育委員会教育長 濱口 隆晴 様
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 山田 康弘
小山市の文化財保護体制の整備・充実に関する要望書
小山市は7ケ所の国史跡を擁する、歴史資産に恵まれたまちです。これを整備し、活用することは、市の活性化を大いに促進させると考えます。ところが、近年継続的に実施されている国史跡琵琶塚古墳の整備事業について、昨年12月に現状変更許可が申請されないまま事業が進められていたことが明らかとなりました。
この原因として、文化財保護担当部局において制度や手続きについての理解、認識が不足していたこと、また、度重なる組織改変や人事異動等により事務引き継ぎが十分でなく、複数年度に跨る事業について組織として対応する体制に不備があったこと、情報公開が不十分で外部からのチェック機能が働かなかったことなどが指摘できます。複数の史跡整備が同時進行するなか埋蔵文化財の開発調整業務も多い、という状況はこれからも続くことでしょう。現在の体制のままでは十全の対応が取れないことが予想されます。
将来の小山市民が、自分たちのまちの歴史を物語る遺跡を共有できるよう、すみやかに文化財保護体制の整備・充実をはかり、整備事業の推進・史跡の活用や情報公開していくことが必要と思われます。
以上により、日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は下記の通り要望いたします。
記
1 琵琶塚古墳の史跡整備事業に係る問題について、その経緯を明らかにし、原因を解明すること。
2 1の結果を受けて、文化財保護体制の整備・充実をすみやかにはかり、実現すること。
3 史跡整備において、史跡の保護を第一とする保存活用計画を策定し、関係機関、関係者、市民等への合意形成を図りながら計画的に実施すること。
4 文化財保護に係る事業全般の現状及び意義について、市民等に対し積極的に説明する場を設けること。