2020年冬に中国に端を発したコロナウィルス感染症は、瞬く間に世界規模に拡がっていきました。我が国も例外ではありません。ウィルスによる感染を防ぐために密集を避けることが要求され、通常の社会活動も大きく制約されることになりました。
日本考古学協会もコロナの影響を受け、2020年の総会(専修大学)、大会(金沢)は、中止せざるをえませんでした。その後、2021年度の総・大会はオンラインの力を借りながら開催できました。
この2年間、コロナ禍は治らず、通常の理事会や各種委員会は、オンラインと対面式とを併用しながら行われています。
この状況下で、広報委員会(2020―21年度)は、連載コラム「コロナ禍の考古学」を企画しました。
「コロナ禍の考古学」は、私たちがコロナに、いかに対応・対処をしてきたかを、自由に述べていただくこととしました。そしてコラムを協会ホームページに搭載することで、それぞれの体験を共有することを目指しました。
連載は、2020年10月からスタートし、2022年5月の第39回まで続けることができました。みなさんお忙しい中にもかかわらず、積極的に原稿をお寄せいただきました。
扱われたテーマは、個別研究の推進をどうしているか、全国学会及び地域学会の活動の問題点、行政の動き、大学や高校の授業、発掘調査の事例、そして博物館活動など多岐にわたっています。各コラムのどれもが、高い見識と豊富な経験に基づいて書かれたものでありました。
さらに、ヨーロッパ、西アジア、中央アジア、東南アジア各地域の状況に触れたコラムもお寄せいただきました。各コラムとも、当該地での豊富な調査体験に基づき書かれたものであります。このパンデミックに関して、国際的な視点を構築する基となると考えます。
繰り返しになりますが、各コラムは、コロナ禍で何が起きたか、どう対処したか、なまの声を伝えているものであり、貴重なものです。各コラムは、「コロナ禍の考古学」連載終了後も、協会ホームページ内のアーカイブのコーナーに保存しておくつもりでいます。ぜひご覧いただけこと願っています。
もう一つ加えます。「オンライン」での会議、授業、講義。講演のメリット、デメリットについて扱ったコラムがいくつか見られました。これは、この2年間の特徴的なことと思います。オンラインをどう活用するか、これもまたコラムの中にヒントがあると思います。
まだパンデミックがおさまってはいませんが、協会は新たな年度を迎えます。広報委員会も新しい体制となります。これを機に「コロナ禍の考古学」を、一区切りしたいと存じます。
執筆いただいた方々に、この場を借りて、感謝いたします。
広報委員会(2020―21年度)
(足立佳代、佐古和枝、小澤正人谷口榮、近藤英夫)
佐古理事が、原稿の編集にあたり、
徳田事務局員が、H P搭載を担当しました。