鴨川市メガソーラー建設用地内の文化財保存に関する要望書

埋文委 第2号

2025年6月16日

 文化庁長官   都倉  俊一 様
 千葉県知事   熊谷  俊人 様
 千葉県教育長  杉野  可愛 様
 鴨川市長    佐々木 久之 様
 鴨川市教育長  蒔苗   茂 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長  吉田  広

 

鴨川市メガソーラー建設用地内の文化財保存に関する要望書

 

 標記の件について、別添書類のように、当該文化財は学術上きわめて重要な内容を有するものであり、貴職におかれましては、適切な保存の対策が講じられることを改めて要望いたします。

 なお、まことに恐縮ですが、当件に係る具体的な措置および対策につきまして、2025年7月11日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。

 

 1 提出書類
   別添のとおり 1通


埋文委 第2号

2025年6月16日

 文化庁長官   都倉  俊一 様
 千葉県知事   熊谷  俊人 様
 千葉県教育長  杉野  可愛 様
 鴨川市長    佐々木 久之 様
 鴨川市教育長  蒔苗   茂 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長  吉田  広

 
鴨川市メガソーラー建設用地内の文化財保存に関する要望書

 

 日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、鴨川市田原地区で休止していた約150㏊に及ぶメガソーラー建設工事が再開されるに至り、用地内に存在する文化財の保存が喫緊の課題になっていると認識しています。
 鴨川市北部は清澄山塊が連なり、そこを縦断する尾根道が幹道となっていました。メガソーラ-建設用地となっている田原の峰山は、この尾根道から南に伸びた支丘で、対岸嶺岡牧の向山として、野続村の草刈場となり、辻に馬頭観音と酪農の神である大日如来が建てられています。また、コの字に掘り残した土手部に馬頭観音、大日如来が並び、小祠や手水鉢がある廃寺跡となり、幹道近くに建てられた大日如来像や寺院あるいは建物の跡とみられる平坦地は、清澄修験との関連が推察されます。さらに、隣接地には古伊万里との区別が容易でない太田学窯跡や、金山塚、金塚古墳があり、今ではすっかり荒れ山となっていますが、峰山には多彩な歴史文化遺産が埋もれているものと考えられます。
 しかし、メガソーラー建設工事の計画が明らかになった2018年以降、これら文化財への具体的保存対策が講じられないまま、今日の緊急の事態に至っています。
 以上のことから、日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、下記の通り要望いたします。

 

1 建設用地内および周辺の文化財分布調査を実施し、状況に応じて試掘調査も行い、地上文化財および埋蔵文化財の存在と分布を適切に把握すること。
2 メガソーラー建設用地内の文化財保存対策計画を作成し、適切に保存をはかるとともに、市民にその内容を広く説明すること。
3 メガソーラー建設工事で影響が及ぶ埋蔵文化財については、適切な事前調査を実施するとともに、埋蔵文化財と一体となった石造物等についても、3D測量等の適切な調査を実施すること。