東京都中央区浴恩園跡(築地市場跡地)の埋蔵文化財調査に係る公開要望

埋文委 第6号
2025年12月17日

文化庁長官 都倉 俊一 様
東京都知事 小池 百合子 様
東京都教育長 坂本 雅彦 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広


東京都中央区浴恩園跡(築地市場跡地)の埋蔵文化財調査に係る公開要望
 

 標記の件について、別添書類のように、当該遺跡は学術上きわめて重要な内容を有するものであり、貴職におかれましては、適切な保護の対策が講じられる必要あるものを考えております。

 なお、まことに恐縮ですが、当件に係る質問につきまして、2026年1月16日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。

1.提出書類
 別添のとおり 1通

 



埋文委 第6号
2025年12月17日

文化庁長官 都倉 俊一 様
東京都知事 小池 百合子 様
東京都教育長 坂本 雅彦 様

一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広


東京都中央区浴恩園跡(築地市場跡地)の埋蔵文化財調査に係る公開要望
 

 東京都中央区浴恩園跡は、江戸時代中期の寛政の改革で著名な松平定信の下屋敷に作庭された汐入廻遊式庭園で、明治維新以降は海軍関係の用地となり、海軍発祥の地ともされています。1926(大正15)年4月26日に標識、1952(昭和27)年4月1日に史跡、1955(昭和30)年3月28日旧跡にそれぞれ東京都によって指定され、旧東京都中央卸売市場(築地市場)跡地内に位置しています。
 当該地は「築地地区まちづくり事業」(2024年4月事業認可)の対象地となり、「水と緑に囲まれ、世界中から多様な人々を出迎え、交流により、新しい文化を創造・発信する拠点」をコンセプトとした商業地区とする開発方針が示されました。この方針に伴い、東京都では旧跡としての浴恩園跡の試掘調査(2023年3月刊行の報告書では「予備調査」)を2021年度以降、断続的に実施し、成果も一部公表されているところです。しかし、検出された遺構の評価は不明瞭と言わざるを得ず、文化財としての保護方針も示されないまま、開発を前提とした本調査が本年8月より実施されていると聞いております。
 埋蔵文化財の調査にあたっては、「適当な時期に現地説明会等を行って発掘調査成果の公開・普及に努めることも重要」であるとされています。しかし、当該調査においては視察受け入れを含めて、未だに調査現場の公開がなされず、今後の実施予定も示れておりません。
 以上のことを踏まえ、日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、浴恩園跡の高い歴史的価値を認める立場から、下記の点を要望します。

1 早急に築地市場跡地における発掘調査現場の公開(視察の受入れおよび現地説明会)を実施すること。
2 前項が早急に実施できない場合は、実施予定時期を明確に示すこと。
3 公開にあたっては、できるだけ多くの人々が調査成果に触れることができるように格段の配慮をすること。
4 公開後、調査に対して広く意見を聴取し、今後の開発計画に反映できるよう十分に検討すること。

 

 

「東京都中央区浴恩園跡(築地市場跡地)の埋蔵文化財調査に係る公開要望」に対する回答について

「東京都中央区浴恩園跡(築地市場跡地)の埋蔵文化財調査に係る公開要望」に対する回答について2