青森県教育委員会では、三内丸山遺跡の全体像の解明並びに円筒土器文化に関する調査・研究を進めるため、発掘調査や各種分析を行うとともに、特別研究として、関連する研究を行ってきました。
令和5年度においても特別研究の公募を行います。
詳細
https://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/news/news-5315/
提出期限
2023年1月27日(金)必着
教文第2387号
令和4年10月14日
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 山 田 康 弘 様
大阪府教育委員会
教育長 橋 本 正 司
島本町越谷遺跡(御所池地区)の調査について(回答)
令和4年9月16日付け埋文委第7号で送付のあった標記の件について、別紙のとおり回答します。
(要望項目)
1.越谷遺跡(御所池地区)の調査に際し、島本町教育委員会が貴教育委員会に対して、指導を依頼したことはございますか。
2.本年8月9日に当委員会の委員による視察が行われました。その報告によれば、西側のトレンチにおいて庭園遺構の構成要素である州浜状突起の一部と思われる遺構(盛り土)が検出されています。さらに州浜状突起は、埋設管設置等によってその大半が大きく損壊されていることが認められました。
ついては当該トレンチの周辺において、改めて州浜状突起をその上面から精査する必要があると思われます。この点について貴教育委員会のお考えをご教示ください。
3. 上記の通り、当委員会では西側トレンチで検出された盛り土遺構に関して、庭園遺跡を構成する州浜状遺構の可能性が高いと判断しております。また、この庭園遺跡は後鳥羽上皇の水無瀬離宮に関連するものと推測しています。
すなわち越谷遺跡は国指定史跡に値するほどの重要遺跡だと認識しておりますが、本遺構ならびに遺跡全体の重要性に関して、貴教育委員会のお考えをご教示ください。
(回答)
- について回答
指導の依頼はありません。島本町教育委員会から随時情報提供をいただきながら発掘調査の状況の把握、助言を行っております。
2.について回答
「州浜状突起」とされる地形については、島本町教育委員会において外部有識者の視察等を踏まえながら引き続き調査が行われると聞いております。現在の開発に伴う発掘調査のトレンチ周辺における調査の必要性については、島本町教育委員会において判断されるものと考えております。
3.について回答
越谷遺跡については、今後島本町教育委員会により調査成果にかかる整理等作業が行われ、報告書が適切に作成されるものと認識しております。なお、これまでの島本町教育委員会からの情報提供において、現地保存を要するような重要性を示す遺構等が検出されているという内容は含まれておりません。
※10月23日をもってポスター公開は終了しました。タイトルのみ掲載いたします。
福岡県内自治体による遺跡の調査研究や保存活用の取り組みに関する紹介 | |
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九州歴史資料館 | 「航空機用掩体」の調査と整備~行橋市稲童1号掩体の事例~ |
福岡市 | 博多遺跡群第221次調査 |
大野城市 | 水城跡第64次(欠堤部)の調査成果 善一田古墳群の調査研究と整備活用 |
那珂川市 | 大万寺裏遺跡群の調査研究 |
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糸島市役所文化課 | 糸島市における古墳の調査・研究・活用の取り組み |
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筑前町 | 東小田峯遺跡の調査研究 |
大牟田市 | 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産 三池炭鉱専用鉄道敷跡の災害復旧について |
八女市 | 福岡県八女市黒木町田本第1号窯跡の発掘調査成果 |
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嘉穂郡桂川町 | 金比羅山古墳と天神山古墳の調査研究 |
香春町 | 長光遺跡 |
福智町 | 国史跡 城山横穴群 |
苅田町 | 松山城における最新の調査成果ー城域・周辺地形の復元と新たな城門の発見ー |
みやこ町 | みやこ町にみられる終末期古墳について |
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研究環境検討委員会 | 研究環境検討委員会の問題提起2022ー文化財行政における後継者育成に向けてー(福岡大会版) |
社会科歴史教科書等検討委員会 | 学校教育と考古学(その6) |
埋蔵文化財保護対策委員会 | 2021年度の埋蔵文化財保護対策委員会の活動 |
歴史教科書を考える 第18号
2022.10.8 日本考古学協会 社会科・歴史教科書等検討委員会
1.社会科・歴史教科書等検討委員会の目的と活動の概要
本委員会は、1998年の学習指導要領改訂で、2002から使用する小学校の歴史教科書本文から旧石器・縄文時代の記述が削除されたことをきっかけに、2006年に小委員会として発足し、2008年からは常置委員会となった。その任務は「考古学の学問的特性や研究成果が学校教育に適切かつ有効に活用されるよう図るとともに必要な働きかけを行うこと」(委員会規定・目的・第2条、2016年施行)である。委員会発足以来、第一に取り組んできたのは小学校教科書への旧石器時代記述の掲載に向けた活動である。このため、歴史教科書やそれを規定する学習指導要領等の分析・検討をおこない、結果を本協会の研究発表会・大会ならびにシンポジウム等を通して公開・発信し、議論を深めてきた。また文部科学省や中央教育審議会に学習指導要領に関して要望書や声明文等を提出してきた。以上の目的を達成すべく2019年度には、以下のような活動をおこなった。
2.2019年度の活動内容
(1)総会・研究大会でのポスターセッション
1)第85回総会
5月19日に駒澤大学で開かれた総会のポスターセッションで、本委員会は「学校教育と考古学(その2)−各地の教育実践の紹介ほか−」と題したポスターを作成して参加した。9枚のポスターを掲載したが、そのうち7枚は2018年度秋の研究大会で作成した委員会活動の概要をまとめたものと北海道での博学連携事業、群馬県の中学校での調査で出土した考古学資料を使った授業の報告である。、他に、「旧石器時代を学習する意義と課題」について2枚を新たに作成し、展示、解説した。
1枚目では、小学校・中学校の教科書、博物館の図録等に使用された旧石器時代のイメージ画について集成・考察を行った。現在、小学校では教科書に掲載された大きな挿絵を使って子供たちが考えるスタイルの授業が多く行われており、挿絵の重要性は増している。ポスターでは旧石器時代のイメージ画を発行年代順に並べ、挿絵主題の変遷と旧石器時代研究の進展について分析した。挿絵はその時代のイメージを強烈に植え付けることから、しっかり考証する必要性を示した。
2枚目は、旧石器時代を初等教育で扱う意義について言及した。現行の小学校教科書では、狩猟・採集の時代について縄文時代の事例のみでとらえようとしているが、旧石器時代だからこそ語ることができる主題について示した。例えば、日本列島における人類史の始まりを示すこと、旧石器時代の自然環境と生活の関わりを考察できること、人類の移動や黒曜石の流通などに関わるグローバル、ダイナミックな視点などを挙げた。
2)岡山大会
10月26日・27日の両日、岡山大学を会場として開かれた研究大会で、本委員会は「学校教育と考古学(その3)−各地の教育実践の紹介ほか−」と題したポスターを作成し、ポスターセッションに参加した。埼玉県埋蔵文化財調査事業団、石川県埋蔵文化財センター、岐阜県文化財保護センター、島根県立埋蔵文化財センターによる「博学連携活動」の事例報告を、各機関1枚ずつのポスターにまとめて掲示した。特に年間100件以上実施する岐阜県、170例の貸出キットを準備する埼玉県などは、参考になる先進的事例であった。
事例報告をした財団の職員の来場もあり、ポスターのHPへの掲載の積極的推進について賛同を得るとともに、「出前授業」の問題点についても意見交換することができた。各県の埋文センター等で調査を経験した高校教員の来場がいくらかあった。春の総会に比べると学生の来場は少なかったが、これは東京における参加学生総数との違いがあろう。会場校の学生は高い関心を示してくれた。
来場者との意見交換の結果、学校側から博物館、埋蔵文化財センターに「旧石器時代を語る」依頼が無い現状を確認した。
第86回総会では「歴史教科書と旧石器時代」をテーマにセッションを行う。学習指導要領により、狩猟採集民について教えることが可能となり博物館の利用が推奨される状況を鑑みて、旧石器時代の教科書掲載に意義があることを再確認したい。
※本号は2020年度の総会会場での配布を目指して準備されてきたものを再編集したものである。
2022年10月7日発行 100p ISSN 1340-8488 ISBN 978-4-642-09406-1
論 文 | 柳澤和明 | 陸奥国分寺・尼寺創建から多賀城第Ⅱ期造営への連続性 |
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論 文 | 臼杵 勲 | チャシコツ岬上遺跡と神功開寶 |
論 文 | 亀田浩子・文挟健太郎 | 群馬県藤岡市浄土院浄法寺(緑野寺)聖徳太子供養塔の基礎的研究―古代石製層塔の新事例― |
研究ノート | 伊藤 創 | 瓦から見た旧山口藩庁門 |
遺跡報告 | 新開基史・新山保和 | 西富岡・向畑遺跡の発掘調査—縄文時代晩期初頭の埋没林と後期集落の調査— |
書評 | 山田しょう | 岩瀬 彬著『最終氷期最盛期の石器使用痕研究』 |
文財第265号
令和4年(2022)10月5日
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 山 田 康 弘 様
出雲市長 飯 塚 俊 之
(文化財課)
「大社基地遺跡群主滑走路跡」南側の市道予定地の保存に関する要望書について(回答)
2022年6月24日付埋文委第1号で、出雲市長及び出雲市教育委員会教育長に対しいただいた要望に対し、下記のとおり回答いたします。
記
【要望内容】
1. 大社基地遺跡群主滑走路跡南側の市道予定地を大社基地遺跡群主滑走路跡の原状を遣す貴重な文化財として保存すること。
2. 大社基地遺跡群主滑走路跡南側の市道予定地を保存・整備し、周辺の基地関連遺構とと もに歴史学習・平和学習の施設として積極的活用を図ること。
当該市道斐川2268号線については、滑走路跡用地の具体的な開発計画を見極めて整備するとしていたため、このたびの民間事業者の開発に伴い市道整備を行います。
また、滑走路跡のコンクリートにつきましては、道路施工上及び維持管理の観点から検討を行いましたが、コンクリートの上にアスファルト舗装等による道路を敷設することは強度等に問題があることから、保存することは困難です。
そうした中、主滑走路跡につきましては、その構造及び築造方法に関する記録を取るため、市道整備工事と調整を図りながら、市道整備予定地のコンクリート断面の精査・実測・撮影の記録調査を行いました。今月4日には現場見学会を開催し、市民等に調査の状況を説明したところです。
さらに、大社基地関連施設群の全体像を把握するため、今年度から計画的に総合調査を行う考えであり、その成果に基づき、施設群の価値付けや今後の活用を検討したいと考えています。
なお、昨年8月25日付回答でもお答えしたとおり、滑走路跡の一部を歴史学習の場として確保し活用する考えであり、その場所について協議・検討を行っています。
さまざまなご意見がある中、後世に戦争の記録と記憶を残していくため、今後も関係機関と連携を図りながら取組を進めていく考えです。
主 催:日本学術会議史学委員会文化財の保護と活用に関する分科会
共 催:岡山大学文明動態学研究所
後 援:日本考古学協会、考古学研究会、独立行政法人国立文化財機構文化財防災センター
日 時:2022年12月11日(日)13:00~17:30
場 所:オンライン
参加費: 無料
定 員:500人
事前申込み:要(申込締切12月4日(日))※下記URLのフォームからお申込ください。
https://forms.gle/d53MD5c5XM27oH2PA
開催趣旨:
長年にわたって日本各地で育まれ、伝えられてきた文化財は、過去からつながるこの地で人々が生きて行く拠り所となるかけがえのない存在である。
文化財を取り巻く状況が大きく変わり始めた今日、文化財保護に明るい未来は描けるのか。本シンポジウムでは、文化財防災、改正文化財保護法、地域社会総がかりの取組、更には世界的潮流などの視点から、地域、日本、そして人類の未来にも深くかかわる文化財保護の今後を展望する。
プログラム等詳細
公開シンポ「文化財保護に未来はあるか」