南教生第137号
令和6年6月14日
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 山田 康弘 様
南房総市
市長 石井 裕
南房総市教育委員会
教育長 三幣 貞夫
鴨川市及び南房総市に所在する嶺岡牧の保存に関する要望書の回答について
令和 6 年 5 月 1 6 日付け埋文委第 1 号で御提出いただきました「鴨川市及び 南房総市に所在する嶺岡牧の保存に関する要望書」について、下記のとおり回答いたします。
記
要望 1 仮囲、木戸、仕切土手、牛馬の水呑場、雨凌小屋、水場、通路などの跡で、嶺岡牧管理の基礎となる嶺岡牧に関する遺構を周知とすること。
回答 1 嶺岡牧関連遺跡について、周知を図ってまいります。
要望 2 嶺岡牧の価値を広く周知するとともに、今後遺構の破壊行為が行われないよう、監視体制を強化及び徹底すること。
回答 2 嶺岡牧が文化財保護法に定める埋蔵文化財包蔵地であることを周知し、 事業者から土木工事等の届出があった場合は、法令に基づき、必要な対応を指示します。
要望 3 露出している嶺岡牧遺構の 3D 測量など記録化を早急に行い、破壊された場合でも復原ができるようにすること。
回答 3 嶺岡牧の遺構の記録化は、多くの関係者の協力を必要とする大規模な事業となるため、その重要性を千葉県教育委員会と協議し、当市の財政状況等も踏まえながら実施の可否を検討します。
要望 4 国指定史跡をにらみ、遺跡の保存活用を行うこと。
回答 4 現在の当市における文化財保護行政の状況を踏まえると、史跡里見氏城跡 岡本城跡の整備事業等をはじめとする既存の文化財保護事業と並行しながら、国史跡への指定を念頭に嶺岡牧の整備や調査を実施することは困難と考えております。
要望 5 行政内において、上記の対策を行うための体制を整備すること。
回答 5 当市庁内においては、建設環境部や農林水産部をはじめとする各部局との情報共有に努め、嶺岡牧周辺で土木工事等が発生した場合に、法例に基づいた適切な遺跡の保護が行える体制の整備を図ることとします。