転換期を迎えた日本考古学と日本考古学協会
1 目的
日本考古学協会は、2018年に設立70周年を迎える。
これを契機に、「転換期を迎えた日本考古学と日本考古学協会」をテーマとして近年の活動や直面している問題を総括し、21世紀に入り大きく変化する世界のなかで、日本考古学と日本考古学協会の今後の展望を探る。
また、考古学研究の成果を社会や学術界に広く発信し、考古学への理解を広めていく。
2 事業の内容
(1)考古学協会創立関連資料の収集・アーカイブ化
日本考古学協会設立に関連した資料を収集しアーカイブ化して保存する。特に設立時より1970年代までの資料を対象として収集・保存し、考古学協会の記録を確実に将来へと伝えていく。
(2)永年在籍会員の顕彰
日本考古学協会に永年にわたり在籍し貢献された会員の表彰を行う。対象となる会員は1965(昭和40)年以前に入会した正会員(在籍53年を越えた会員)で、人数は69名である。
(3)『日本考古学・最前線』の刊行
日本考古学研究の現在の到着点をまとめた『日本考古学・最前線』(雄山閣)を刊行する。刊行は2018年10月の予定である。
(4)公開講演会の実施
総会・大会開催地での公開講演会のほか、日本考古学協会が関わった遺跡の地元関係機関と連携し公開講演会を開催する。
①第85回(2019年度)総会
・「生産の考古学-窯業-」 酒井清治氏(駒澤大学教授)
②2019年度岡山大会
Ⅰ「楯築墳丘墓の諸要素-墳形・墳頂施設と祭祀-」
宇垣匡雅(岡山県立博物館)
Ⅱ「古代吉備の対外交流-5・6世紀を中心に-」
亀田修一(岡山理科大学)
③モヨロ貝塚(北海道)
テーマ:日本考古学協会設立70周年記念講演会
『モヨロ貝塚と大陸文化』
日 時:2019年10月20日(日) 14:00~15:30
主 催:網走市教育委員会・一般社団法人日本考古学協会
会 場:オホーツク・文化交流センター(愛称:エコーセンター2000)
内 容:講演とロビー展示
講演1「北の考古学とモヨロ貝塚」 米村 衛氏(網走市立郷土博物館館長)
講演2「モヨロ貝塚と大陸文化」 臼杵 勲氏(札幌学院大学教授)
ロビー展示『モヨロ貝塚を探る歩み』
④岩宿遺跡(群馬県)
テーマ:岩宿遺跡発掘・日本考古学協会設立70周年記念 岩宿大学公開講座
『岩宿遺跡と日本の近代考古学』
日 時:2019年11月24日(日) 13:00~16:30(開場12:00)
主 催:みどり市教育委員会・一般社団法人日本考古学協会
会 場:笠懸公民館 1階 交流ホール
内 容:講演
1「岩宿遺跡の発見と発掘」 小菅将夫氏(岩宿博物館館長)
2「岩宿遺跡と日本の先史時代研究」 矢島國雄氏(明治大学名誉教授)
3「戦後の考古学研究の歩みと歴史学」 坂誥秀一氏(立正大学名誉教授)
(5)『日本考古学―設立70周年特集号 日本考古学と日本考古学協会1999〜2018年―』の編纂
日本考古学協会設立50周年(1998年)以後の1999年から2018年までの日本考古学と考古学協会の現状と課題についてまとめて刊行する。
(6)国際セッション「東アジア農耕社会の中の弥生時代」の開催
日本考古学協会静岡大会で国内外の研究者によるセッション“Contextualizing the Yayoi period as a farming society in East Asia”(「東アジア農耕社会の中の弥生時代」(使用言語:英語))を開催する。セッションの内容はJJA誌上で特集として刊行する。