鴨川市メガソーラー建設用地内の文化財保存に関する意見および要望
埋文委第5号
2025年10月21日
文化庁長官 都倉 俊一 様
千葉県知事 熊谷 俊人 様
千葉県教育長 杉野 可愛 様
鴨川市長 佐々木 久之 様
鴨川市教育長 蒔苗 茂 様
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広
鴨川市メガソーラー建設用地内の文化財保存に関する意見および要望
標記の件について、当該地は学術上極めて重要な内容をもつものでありますので、一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、今回の事態について極めて強い遺憾の意を表することとし、別添の文書を送付いたします。
なお、まことに恐縮ですが、当件の具体的な措置、対策について2025年11月14日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。
記
一、別添書類 一通
以上
埋文委第5号
2025年10月21日
文化庁長官 都倉 俊一 様
千葉県知事 熊谷 俊人 様
千葉県教育長 杉野 可愛 様
鴨川市長 佐々木 久之 様
鴨川市教育長 蒔苗 茂 様
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広
鴨川市メガソーラー建設用地内の文化財保存に関する意見および要望
一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、鴨川市田原地区で休止していたメガソーラー建設工事が再開されるにあたり、用地内に存在する文化財についてその重要性を鑑み、適切な調査等を願う要望書を提出してきたところです。
しかし、建設工事が本格的に始まった現在、要望してきた適切な対応が全くとられていない状況と判断しております。工事の進捗と共に、石造物などの地上文化財および寺院あるいは建物跡などの埋蔵文化財が、試掘はおろか分布調査も実施されないまま破壊されていくことについて、強く憂慮しております。
これは、鴨川市の文化財保護行政が全く機能していないことが引き起こしたといわざるを得ません。日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、今回の事態を巡る鴨川市の文化財保護行政の機能不全に抗議し、極めて強い遺憾の意を表するとともに、次のことを緊急に履行されることを強く要望します。
記
1 当該地の地上および埋蔵文化財破壊という事態を引き起こした鴨川市における責任の所在を明確にし、同市の文化財保護行政機能を回復させるための体制整備を行うこと。
2 用地内の建設工事をいったん中断させ、用地内および周辺の文化財分布調査および状況に応じた試掘調査を早急に実施し、地上および埋蔵文化財の存在と分布を正確に把握すること。
3 メガソーラー建設工事で影響が及ぶ埋蔵文化財については、適切な事前調査を実施するとともに、埋蔵文化財と一体となった石造物等についても、3D測量等の適切な調査を実施すること。
4 上記2・3に係る調査の状況および結果について、その内容を速やかに広く公開すること。