京都府八幡市橋本陣屋跡の保存に関する要望書
埋文委 第1号
2025年6月6日
文化庁長官 都倉 俊一 様
京都府知事 西脇 隆俊 様
京都府教育長 前川 明範 様
八幡市長 川田 翔子 様
八幡市教育委員会 教育長 川中 尚 様
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広
京都府八幡市橋本陣屋跡の保存に関する要望書
標記の件について、別添書類のように、当該文化財は学術上きわめて重要な内容を有するものであり、貴職におかれましては、適切な保存の対策が講じられることを改めて要望いたします。
なお、まことに恐縮ですが、当件に係る具体的な措置および対策につきまして、2025年7月4日(金)までに、当協会埋蔵文化財保護対策委員会委員長宛にご回答を下さるようお願いいたします。
記
1 提出書類
別添のとおり 1通
埋文委 第1号
2025年6月6日
文化庁長官 都倉 俊一 様
京都府知事 西脇 隆俊 様
京都府教育長 前川 明範 様
八幡市長 川田 翔子 様
八幡市教育委員会 教育長 川中 尚 様
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 吉田 広
京都府八幡市橋本陣屋跡の保存に関する要望書
橋本陣屋は、日本史の大きな転換期にあたる幕末万延元(1860)年に設置された陣屋です。近隣に所在する楠葉台場(大阪府枚方市)、高浜台場(大阪府島本町)などとともに京防衛の要として設置された重要施設であり、幕府の防衛戦略のみならず京・朝廷をめぐる思惑・背景に迫ることのできる重要な存在です。このため、近接する楠葉台場跡は国指定史跡として保存・活用が図られています。
今回、集合住宅建設予定地内で発見された橋本陣屋跡に関わる遺構は、橋本陣屋の実態を知りうる無二の遺構で、絵図等に記載のない石垣・堀が良好な状態で残されていました。一帯に遺構がさらに展開する可能性も高く、目まぐるしく変動した幕末の政局を反映した実態を示す貴重な遺跡と言えます。
駅前の利便の地にこうした遺跡があり、これを核とした市民憩いの地を設けることは市民生活に大きなうるおいを与えるだけでなく、枚方市の楠葉台場と併せて利活用に取り組むことで地域活性化を促す文化資源として、大きな可能性を秘めているとも考えられます。
以上のことから、一般社団法人日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会は、橋本陣屋跡について、埋蔵文化財保護の観点より以下の通り要望いたします。
記
1.橋本陣屋跡で検出された遺構群について、現地保存を行うこと。
2.橋本陣屋跡の歴史的重要性の詳細を明らかにするため、さらに調査検討を進めること。
3.調査成果に基づき、橋本陣屋跡の史跡指定を行い、保存活用を図ること。
以上