熊本大学 工学部研究資料館の復旧工事が始まる

理事の杉井です。

台風5号が列島を横断しましたが、皆様のお住まいのところに大きな被害は出なかったでしょうか。

 

さて、熊本大学には国指定重要文化財の赤レンガ建物が4つあります。

五高記念館、化学実験場、工学部研究資料館、表門(通称、赤門)の4つです。

それらのうち、五高記念館、化学実験場、工学部研究資料館の3つが、熊本地震により大きく被災しました。五高記念館、化学実験場では煙突が落ち(写真1・2)、工学部研究資料館の壁には大きな亀裂が生じました(写真3・4)。

この8月、ようやく工学部研究資料館にて、復旧のための工事が始まりました(写真5)。7月に三次元レーザー計測が行われていましたので、そろそろ復旧作業が始まるのかな、と思っていたところでした。

でも、亀裂の入った煉瓦壁を、どのようにして修復するのでしょうか。関係する先生から情報を集め、また工事の経過を見守りたいと思います。

とはいえ、五高記念館と化学実験場は、まだ被災した当時の姿のまま。落下した煙突はシートにくるまれています。まだまだ先は長いと思います。

 

熊本大学では、工学部研究棟も被災し、建て替えが決定しています。

まだ解体は始まっていませんが、研究棟の皆さんはプレハブに移動して、研究や教育を続けておられます。エアコンの室外機がうなりを上げています。

考古学資料室の入っている建物への渡り廊下も被災していますが(写真6)、こちらの復旧工事もまだ始まっていません。渡り廊下の下の入口は、封鎖されたまま。

そろそろ1年4ヶ月が過ぎようとしています。

写真1 前震直後の五高記念館(2016.4.15)

写真2 本震直後の化学実験場(2016.4.18)

写真3 工学部研究資料館 壁面の亀裂①(2017.8.5)

写真4 工学部研究資料館 壁面の亀裂②(2017.8.5)

写真5 復旧工事が始まった工学部研究資料館(2017.8.5)

写真6 考古学資料室のある建物への渡り廊下(2017.8.5)