当研究会では、2017年度から『中期古墳研究の現状と課題』と題して中期古墳の研究に取り組んで参りました。この間、1回目の徳島大会と4回目の鳥取大会で各種副葬品の編年、2回目の岡山大会で対外交渉の実態、3回目の広島大会で埋葬施設の様相、5回目の愛媛大会で各地の土器編年とその併行関係といった具合に議論を積み重ねてきました。
これらの成果を受け、6回目となる今回の島根大会では、これまでの研究集会の総括として、列島規模と地域ごとでの各種編年要素のクロスチェックをおこなうことで、中期古墳編年の再構築とそこから見出される古墳時代中期社会の復元を試みます。あわせて副葬品の広域編年や土器の併行関係を確認したうえで、地域ごとの古墳築造状況の在り方と画期について検討してゆきますが、古墳時代中期は対外交渉が活発になる時期でもあるので、副葬品の広域編年を議論するうえで重要な暦年代論について、東アジア的な視座での検討を試みるとともに、倭の五王の評価や考古学の立場から王権の動向について整理します。そして、それらの要素を踏まえて、地域の画期を見出し、「集成編年」の再構築を試みます。
日時:2022年12月3日(土)・4日(日)
会場:島根大学総合研究棟(法文学部棟)2階多目的室1(207室)、オンライン(対面・オンラインの併用)
主催:中国四国前方後円墳研究会 第25回研究集会実行委員会
参加申込:要(11月20日(日)まで) ※延長しました
下記の必要事項を記入の上、申込先までメールでお申込ください。
必要記入事項:①氏名、②住所(資料集の送付先)、③電子メールアドレス(当日に連絡のつくもの)、④電話番号、⑤参加方法(対面・オンライン)、⑥資料集希望部数、⑦会員の有無、⑧所属(任意)
※資料集:3,000~3,500円程度(送料込み)を予定
[申込先]chushiken25@gmail.com
プログラム
【12月3日(土)】
12:00~12:40 中国四国前方後円墳研究会第14回総会
13:00~13:10 趣旨説明
13:10~13:50 研究報告1「中期古墳年代論—相対編年とその暦年代—」 岩本 崇(島根大学)
13:50~14:30 研究報告2「馬具の暦年代論と古墳時代中期の対外交渉」 諫早直人(京都府立大学)
14:30~15:10 研究報告3「文献からみた古墳時代中期と東アジア」 田中史生(早稲田大学)
15:20~16:00 研究報告4「河内政権と中四国」 岸本直文(大阪市立大学)
16:00~16:30 地域報告1(鳥取県)森藤徳子(鳥取県立むきばんだ史跡公園)
16:30~17:00 地域報告2(島根県)吉松優希(島根県古代文化センター)
【12月4日(日)】
9:20~9:50 地域報告3(岡山県)寒川史也(岡山市埋蔵文化財センター)
9:50~10:20 地域報告4(広島県)村田 晋(広島県教育事業団事務局埋蔵文化財調査室)・永野智朗(松江市埋蔵文化財課)
10:20~10:50 地域報告5(山口県)岡田裕之(山口県埋蔵文化財センター)
11:00~11:30 地域報告6(香川県)真鍋貴匡(瀬戸内海歴史民俗資料館)
11:30~12:00 地域報告7(徳島県)栗林誠治(財団法人徳島県埋蔵文化財センター)
13:00~15:00 総括討論 コーディネーター 齊藤大輔(島根県立八雲立つ風土記の丘)・君嶋俊行(鳥取県教育文化財団調査室)
15:10 閉会
※誌上報告 地域報告8(愛媛県)冨田尚夫(愛媛県立歴史文化博物館)
地域報告9(高知県)宮里 修(高知大学)