年明けから始まったコロナ騒ぎは、熊谷にある立正大学博物館にも及びました。年度末には休館対応、4月からは休館とともに、勤務制限により5月に3日間出勤したほかは、閉切りの状態が続きました。6月からは通常に近い勤務となりましたが、博物館は休館のままです。予定していた企画展も中止になりました。
ほかの大学博物館はどうか、試みにウェブサイトで確認できる114館を対象に全国の大学博物館の現状をみてみました。114館のうち開館しているのは57館、休館は31館、不明が26館でした。休館している館の中には、改修や震災被害によるものも含まれますが、半数が既に開館しています。開館時期をみると、早いところは6月、後期日程に合わせて9月、10月開館が多いようです。
東京を中心とした首都圏と地方を比べてみると、首都圏では閉館率が高いことがわかります。また、開いていても多くの館が、マスク着用、検温等のコロナ対策のほか、学内限定、予約制、時間短縮などの措置により、慎重な対応がとられています。そもそも、前期は休校措置をとっていた大学が多く、後期に一部対面授業が始まった大学でも学内での感染を防ぐため、特に首都圏では止むを得ない措置といえるでしょう。
「新しい生活様式」のもとさまざまな事柄が動き始め、公立博物館では既に多くが開館し、私自身も博物館めぐりを再開しました。馬具の輝きに目を凝らしたり、埴輪や瓦の製作技法を確認したりと本物を観察する楽しみを再認識しています。
大学博物館でも、一日も早くにぎやかなキャンパスが戻り、学生や地域の方々に広く博物館を利用していただけることを祈っています。その日が来るまで、調査・研究、資料整理、館内整備、カビ対策など、開館中はなかなかじっくり取り組めない仕事に励むことにします。
(大学博物館のリストは西南大学博物館のHPを参考にさせていただきました。)