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2008年1月理事会記録

1.会員の訃報及び動向について

 岡内理事から、熊本県の大城康雄会員が2008年1月2日に、京都府の星野猷二会員が1月7日に、静岡県の平野和男会員が1月8日に、鹿児島県の下山覚会員が1月16日に亡くなられたとの報告があった。

2.60周年記念事業について

 菅谷理事から、先月理事会の意見を踏まえた講演会・出版企画案の提示があり、講演会については現在検討中であり3月までに決定をはかりたいこと。出版企画については機関誌に「現代の日本考古学の諸問題」に関連するテーマを掲載することとし、埋文委、社会科教科書問題検討小委員会、研究環境検討委員会に対して原稿作成の検討を願いたいことが報告された。また、先月理事会で提案された60周年を機に協会創設時会員への表彰を行う件については、60周年記念事業検討小委員会で原案を作成し、3月理事会にはかることが了承された。

3.社会科教科書問題について

 大竹理事から、2月4日(月)に東京学芸大学で開催する「第1回シンポジウム〜歴史教育と考古学〜」の進捗状況について報告があった。続けて松本理事から、「学習指導要領の改訂に関する要望書(案)」の再提示があり、原案どおり了承された。また、本シンポジウム資料や60周年記念講演時の配布資料の有償化について検討が行われた結果、現時点では著作権問題や補助金事業との関係もあって有償配布は難しく、将来的には有償配布を視野に入れた検討を行うことが了承された。なお、公開講座の資料については、社会還元を基本として開催しているものであり、無償配布の努力を続けていくことが了承された。

4.埋文委選考準備会委員の委嘱について

 橋口理事から、これまでの経緯と委員委嘱までの流れが説明されるとともに、選考準備会構成(案)の提示があり、原案どおり了承された。

5.入会資格審査について

 橋本久和理事から、1月12日(土)に第2回入会資格審査を開催し、保留となっていた10名の再審査を行った結果、7名は資格基準を満たしていると判断され、3名からは追加資料の提出が無かったため資格基準を満たさずと判断された。よって、2008年度入会申込総数119名のうち、資格基準を満たす者116名となり、3月上旬に全会員に入会資格基準該当者名簿を送付し、異議の申し立てを受けつけるとの報告があり了承された。

6.国際交流委員会報告

 菊池理事から、1月19日(土)に、明治大学リバティタワー1階1011教室にて、4学会(有限責任中間法人日本考古学協会・日本西アジア考古学会・東南アジア考古学会・日本中国考古学会)合同公開講演会「近年のアジア考古学研究の成果と国際協力」を開催し、約150名の参加者があった。今後も継続的な開催を検討したいとの報告があり、当日配布資料の提示があった。続けて昨年12月22日に2007年度第2回委員会を開催し、①今年度の英文コンテンツが完成したこと。②国際学会(WACとUISPP)の再統一要請については、各種情報を検討した結果、再統一を促す要望書の提出は不可能との結論に至った。今後は世界的規模の考古学関係の学会が2つあることを会員に周知するとともに、各々の学会が日本で開催される場合には、その都度適宜対応することとした。また、諸外国の研究会の活動状況を会員に発信することも検討したい。③60周年記念事業の出版企画として機関誌に特集号が組まれるが、その中に国際交流がテーマとして掲げられていることから、次回委員会までに項目案を検討することになった。④海外で研究発表を行う者に対し協会として旅費等を助成できないか、また、「研究奨励賞」の創設を検討すべきではないかとの提案があったとの報告があり、①〜③については了承された。④については、検討の結果、旅費等の助成については協会将来構想検討小委員会で検討することとし、「研究奨励賞」の創設については、60周年を機に創設することが了承され、次回理事会までに60周年記念事業検討小委員会で原案を作成することになった。

7.陵墓報告

 髙橋理事から、五社神古墳への立入り申請に対して、1月17日付けで宮内庁から回答を得たことが報告され、今後のスケジュールについて検討が行われた。

8.東洋学・アジア研究連絡協議会報告

 岡内理事から、昨年12月15日に開催された2007年度第2回総会の報告があり、当日の議事録の提示があった。また、現状では考古学関連学会の参加が少ないことから、参加の働きかけを行う必要があろうとの提言があった。

9.第74回総会並びに2009年度の総・大会について

 黒沢理事から、第74回総会の日程の説明があり、大竹理事から口頭発表とポスターセッションの配列基準について補足説明があった。続けて岡内理事から、第74回総会議題(案)の説明があり、追加・修正を行ったうえ了承された。

 また、辻理事から、2009年度大会につき、山形県で開催を受け入れる方向であるとの報告があり、山形県での開催が了承された。続けて岡内理事から、2009年度の第75回総会は、早稲田大学で開催を受け入れることが報告され、了承された。

10.2008年度予算案並びに会費高額滞納者について

 金子理事から、各担当理事に対して、2008年度予算要求書の提出が要請された。併せて3万円の会費高額滞納者12名が報告され、各理事が分担して督促にあたることになった。

11.公開講座について

 黒沢理事から、3月16日(日)開催の第3回公開講座パンフレットの原案が提示され、了承された。また、9月13日(土)に静岡市市民文化会館で開催する第4回公開講座についても実行委員会を立ち上げて、1月17日(木)に第1回実行委員会を開催したこと並びに開催要項原案の説明があり、原案は了承された。

12.研究環境検討委員会報告

 髙倉理事から、①本日第7回委員会を開催して、早稲田大学の「埋蔵文化財調査士の養成および資格授与のための埋蔵文化財科学実践プログラム」について、本プログラムが文部科学省の「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」委託事業であることから、事業の継続性に疑問があることや、当会の関与の可能性等について検討した。②第74回総会では、資格認定問題と博物館法改正問題の現状について説明するために、口頭発表とポスターセッションを実施するとの報告があり、了承された。続けて岡内理事から、早稲田大学のプログラムの補足説明と、当会との協議の必要性が説明され、議論を深めた。本件については、3月の理事会にむけて、さらに検討をすすめることが了承された。

13.高松塚・キトラ古墳問題検討小委員会報告

 菅谷理事から、①1月14日(月)に2007年度第3回委員会を開催し、併せて高松塚古墳の墳丘埋め戻し状況を視察するとともに飛鳥資料館にて墳丘断面剥ぎ取り展示を展観した。②委員会では熊本大会時のアンケート集計結果を報告、第74回総会時の口頭発表内容及び構成について討議し、茨城県ひたちなか市虎塚古墳の保存と公開について発表を行うことにした。ついては、春の一般公開に合せて茨城県虎塚古墳の現状を視察することとし、可能ならば福島県内の装飾古墳についても視察する予定であるとの報告があり、了承された。

14.広報委員会報告

 山岸理事から、昨年12月22日(土)に、第1回委員会を開催して委員長に山岸、副委員長に滝沢理事を選出し、委員会活動の具体的検討を行った。すでに「4学会合同公開講演会」、「第1回シンポジウム〜歴史教育と考古学〜」の開催については、各新聞社に情報提供し掲載を依頼したとの報告があり、了承された。

15.協会図書対応検討小委員会報告

 木下副会長から、①本日第2回委員会を開催して、前回ヒアリングを行った日本情報考古学会IT作業部会からの日本考古学協会所蔵図書のIT化への提言について検討を行った結果、現状では協会で対応できる状況にはなく、提案は受入れられないとの結論に至った。②協会図書の対応については、公募によって一定の条件を付して一括して公的機関に寄贈する既定方針に則り、公募案の具体的検討を行った。2009年1月までに公募案を決定して第75回総会(2009年度)に諮り、その後、募集を行う日程で検討を進めるとの報告があり、了承された。

16.埋文委報告

 橋口理事から、2007年12月・2008年1月幹事会議事録の提示があり、①本年度も全国委員に対して「2007年度埋蔵文化財保護をとりまく状況調査」アンケートを実施する。②広島県福山市鞆の歴史的景観保全問題につき関係機関に要望書を提出したが、期日までに回答は得られていない。報道関係に対しても、回答期限を待って地元記者クラブ等に要望書の提出を伝えた。福山城関連遺構の保存問題が浮上しており、状況を確認したうえで要望書の提出を含めた対応を検討する。②京都府宇治市の太閤堤の保存問題につき、関係機関に対し要望書を提出する予定。また、神奈川県横浜市山下町外国人居留地の保存問題について要望書の提出を準備していたところ、提出前に基礎工事に着手されてしまったため、このことに対する抗議文及び周辺の外国人居留地の保存を求める要望書を提出する予定である。③昨年12月19日に近藤委員長と日暮幹事が、千葉市の文化財担当者と情報交換を行った。文化財の保護体制や保護計画等につき今後も定期的に情報交換を行う予定との報告があり、了承された。続けて松本理事から、2008−2009年度埋文委委員の選任について推薦協力の要請があった。

17.その他

①リンク依頼について

 青木事務局長から、独立行政法人科学技術振興機構から研究者人材データベース(JREC-IN)へのリンク依頼があり、当会公式サイトのリンク集(国機関)に掲載したことが報告された。

②第4回(平成19年度)日本学術振興会賞の受賞について

 青木事務局長から、茨城県の青山和夫会員が表記受賞をされた旨の報告があった。

以上