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2008年3月理事会記録

1.会員の訃報及び動向について

 髙倉理事から、金子裕之理事が3月17日に亡くなられたことが報告され、黙祷が捧げられた。続けて、会長から弔意を表する書状を送る旨が報告された。なお、金子理事の逝去に伴う理事の欠員については、理事の改選まで残り僅かであることから補充はせず、総会まで24名体制で取り組むことが了承された。

2.研究環境検討委員会報告

 早稲田大学の髙橋龍三郎教授に出席いただき、同大学による文部科学省委託事業「考古調査士養成プログラム」について、資料を基に説明を受けた。その後、委託事業期間終了後の認定機構の運営について、管理士認定機構の認定基準について、日本考古学協会への要望について、カリキュラム編成内容について、安全・衛生管理への対応について等々の質疑応答が行われ、本件については、今後も意見交換を続けていくことが確認された。

 続けて小笠原理事から、本日委員会を開催し、大阪府の橋下徹知事による博物館行政への対応について協議したことが報告され、①第74回総会において総会決議を行うこと、②総会に先立ち、理事会名で要望書を提出することが提案された。本件につき検討の結果、①については、次回理事会に原案を提示して総会にはかり、決議文は会長・副会長が橋下知事に直接手渡し、その後記者会見を行う。②については早急に原案を作成して回覧し、各理事の意見を集約したうえ正式文書として提出を行うことが了承された。また、佐古理事から、5月17日に大阪市立天王寺区民センター講堂にて、文化経済学会〈日本〉関西支部主催によるシンポジウム「21世紀の博物館と考古学〜文化政策の視点から〜」が計画されており、当会に対して共催依頼が提出されている旨の報告があり、検討の結果、共催することが了承された。

3.第74回総会について

 丹羽理事から、総会実施要項案に基づき各理事の役割分担が説明された。

4.60周年記念事業について

 小笠原理事から、5会場による講演会・機関誌への掲載内容・パネル展示等の説明並びに予算案の提示があった。また、60周年を機に協会創設時会員への表彰を行う件については、協会創設後の初期5年間の会員を対象とした23名の候補者案が示され、了承された。

5.陵墓報告

 髙橋理事から、①五社神古墳への立入りにつき、16学協会を代表して2月15日(金)に協会事務所にて記者発表を行い、2月22日(金)午後1時〜3時30分に立入りを行った。なお立入り当日は、午前10時から事前打合せを行った後、午前10時30分から事前検討会を実施し、立入り終了後には、16学協会を代表して西谷会長が記者発表を行うとともに、事後の検討会を行った。②立入りの結果を報告する目的で、4月5日(土)に奈良県文化会館にて、シンポジウム「『陵墓』研究のいま−神功皇后陵から五社神古墳へ−」を開催するとの報告があり、了承された。

6.公開講座について

 丹羽理事から、3月16日(日)に、福井県立三方青年の家において第3回公開講座を開催し、協会スタッフ10名を含め約70名の参加があったとの報告があった。続けて大竹理事から補足説明があり、広報活動や地元との連携について、今後の課題が報告された。

7.埋文委選考準備会報告

 髙倉理事から、①3月8日(土)に表記準備会を開催して、委員長に髙倉、副委員長に木下副会長を選出した。②『会報No.162』にて告示し2月29日(金)までに届け出のあった立候補並びに推薦候補者をもとに協議し、過不足の検討を行った。次回4月26日(土)に、第2回準備会を開催して原案を作成し、当日の理事会にはかるとの報告があり、了承された。

8.社会科教科書問題について

 大竹理事から、①2月4日(月)に東京学芸大学で開催した「第1回シンポジウム〜歴史教育と考古学〜」の報告並びに当日配布資料の提示があった。②1月理事会で「学習指導要領の改訂に関する要望書(案)」が了承され提出の準備を進めていたが、その後2月15日に文部科学省は「学習指導要領案」を公表して、3月16日を期限にパブリックコメントの募集を行う状況となったため、これを受けて小委員会は意見提出を行った。ただしパプリックコメントは一般の目に触れることが少なく、文書としても残らないので、日本考古学協会から文部科学大臣並びに中央教育審議会会長宛に要望書のかたちで提出したい。なお「学習指導要領案」はパブリックコメントの募集締切後、3月末には官報告示となり法的拘束力が生じることから、一両日中に要望書を提出する必要がある。また、提出した要望書は協会公式サイトに掲載するとともに各マスコミにも通知したいとの説明があり、要望書の骨子が説明された。③現在の「社会科教科書問題検討小委員会」を、教科書問題だけでなく広く歴史教育全体を検討してゆく委員会として常置化し、併せて名称変更もはかりたいとの報告があり、検討が行われた。検討の結果、②の要望書は原案通り了承されたが、③の常置委員会化と名称変更については、継続審議事項となった。

9.国際交流委員会報告

 橋本裕行理事から、3月8日(土)に2007年度第3回委員会を開催し、60周年記念事業に伴う機関誌掲載原稿の執筆者選定について、2008年度予算案について、2008年度の公開講演会開催について協議したことが報告され、了承された。

10.広報委員会報告

 山岸理事から、2月23日(土)に第2回委員会を開催したこと、協会リーフレットの作成並びに寄付・広告を受ける件につき、今後、理事会で検討を願いたいとの報告があった。

11.協会図書対応小委員会報告

 木下副会長から、1月23日(土)に開催した第2回小委員会議事録の提示があった。

12.協会将来構想検討小委員会報告

 渡辺副会長から、本日第1回小委員会を開催して委員長に渡辺を選出し、2009年5月の一般社団法人移行に伴う定款改正、日本考古学協会の目指す方向性について今後検討していくことが報告され、了承された。

13.高松塚・キトラ古墳問題検討小委員会報告

 橋本裕行理事から、4月6日(日)に、茨城県ひたちなか市の虎塚古墳見学を行うとの報告があり、了承された。

14.会費高額滞納者について

 金子理事から、本日時点での30,000円滞納者6名の報告があり、3月末日までに納入なき場合には、会員資格を喪失することが説明され了承された。

15.埋文委報告

 橋口理事から、①広島県福山市鞆の歴史的景観保全問題並びに福山駅南口開発整備に伴う保存問題につき、3月19日〜21日に矢島副委員長・橋口・松崎幹事が現地に赴き、地元の藤野次史埋文委員・河瀬正利前理事とともに現地視察を行った。鞆の歴史的景観保全問題については、すでに埋文委として要望書を提出しているが、次の段階として第74回総会において日本考古学協会としての決議を行いたい。福山城関連遺構の保存問題については、現地視察を踏まえて要望書の提出を検討する。②高知城の保存問題については、3月22日〜24日に近藤委員長・富山委員が現地に赴き、地元の松田直則委員・出原恵三委員とともに高知城並びに土佐久礼城の視察を行う。③京都府宇治市太閤堤の保存問題については、1月30日付で関係機関に要望書を提出したが、保存に向けた動きが報告されており、今後の推移を見守っていく。④埋文委に限らず、社会科教科書問題や、研究環境の問題等に関わり、関連諸学会との連携が重要になってきている。今後は、各委員会で個別に対応するのではなく、協会として関連諸学会とのネットワークを整備しておく必要があるとの報告があり、検討が行われた。検討の結果、①の総会決議については、次回理事会に原案を提出し総会にはかることが了承され、④の提案については、今後の継続審議事項として検討することになった。

16.その他

①事務局長(常務理事)の再任について

 木下副会長から、規定では現青木事務局長が定年に達するが、後任の適任者がいないこと、一般社団法人化への移行を控えた準備段階にあることから、もう1年の継続をお願いしたとの報告があり、了承された。

②会員からの意見について

 青木事務局長から、東京都の黒尾和久会員から、韓国の南大門焼失に伴い、日本考古学協会として再建にむけた義援金ないし寄付金を集めたらどうかとの提案がある旨の報告があり、次回理事会で再検討することになった。

以上