HOME > 理事会 > 2010年9月

2010年9月理事会議事録

 理事会の開催に先立ち、石川理事から本日の出席者は20名で過半数に達しており、本理事会が成立することが報告され、議事に入った。

会員の訃報について

 石川理事から、東京都の櫻井清彦会員(元委員長)と河野重義会員が9月6日に、藤本強会員(元書記)が9月10日に、福島県の小柴吉男会員が9月15日に、埼玉県の寺社下博会員が9月19日に亡くなられたとの報告があり、哀悼の意を表した。

議案第36号 臨時総会の開催について

 石川理事から、9月9日(木)に「日本考古学協会蔵書の海外放出に反対する有志の会」から489名の署名とともに「臨時総会開催請求書」が提出されたことを受け、定款第25条第3項により、10月16日(土)の兵庫大会第1日目午前中に臨時総会を開催することになったことについて、以下の経過報告があった。①弁護士に臨時総会の諸手続について意見をうかがい、「6週間」の起点は請求書提出日であること(=9月9日)を確認した。②菊池会長が9月9日、定款第25条3「会長は6週間以内に総会を招集しなければならない」の定めにより、10月16日に臨時総会を招集することを決定した。③「一事不再議」の原則から、第76回総会の報告・了承事項とは異なる審議事項とし、「協会所蔵図書の寄贈について」を議案名とする。④総会運営規則第1条の定めにより、会員には総会の日の3週間前までに議事を示した書面・回答葉書を送付しなければならない。そのため、臨時総会会告案文と、従来の委任状形式ではなく議案への賛否を問う議決権行使書とした回答葉書原案を作成し、全理事と協会図書対応検討小委員会委員にメール配信して意見を求め、修正・確認のうえ印刷、21日に全会員に発送した。⑤また、欠席会員にも議決権の行使を求めることから、「反対する有志の会」から要求のあった資料を、会告に添付した。⑥会報No.170並びに公式サイトに掲載した理事会の「日本考古学協会所蔵図書の一括寄贈について」に対し、有志の会から7月30日(金)付けで「日本考古学協会理事会見解に対する私たちの意見」が提出された。7月総務会で6月26日の理事会当日に有志の会から提出された会報投稿原稿の扱いとともに検討の結果、6月26日文書は12月発行の会報に掲載し、7月30日付け文書は予め全理事に情報提供し9月理事会に諮ったうえで公式サイトに掲載する方針とした。しかし、臨時総会の開催が決定したことから急ぎ双方の意見を掲載する必要があろうと判断し、理事会を待たずに掲載したとの報告があり、これを承認した。なお、臨時総会開催については、兵庫大会実行委員会に会場確保や準備等について迅速にご対応いただいたこと併せて報告した。

 続けて、議決権の集計方法並びに当日の役割分担、議事進行について協議した結果、議決権の集計は監事が行うこととし、「反対する有志の会」の立会いについても承認した。

議案第37号 入会資格審査について

 池上理事から、2011年度新入会員の資格審査委員候補者(案)16名(再任7名、新任9名)の説明があり、原案通り承認した。

議案第38号 特別委員会による発掘調査遺跡情報の調査について

 石川理事から、かつての古墳総合研究特別委員会、縄文式文化編年研究特別委員会、西九州総合調査特別委員会等の日本考古学協会特別委員会による遺跡の発掘調査情報(調査担当者・報告書の有無・保管状況等)について、協会としてきちんと把握しておく必要があろうとの提案があり、検討の結果、石川理事を中心に理事会で分担して調査を進めることを承認した。

議案第39号 年報のスリム化について

 古瀬理事から、6月理事会での意見を踏まえたスリム化案の説明があり意見が交わされた結果、次回理事会に再提案してさらに協議することを承認した。

議案第40号 危機管理マニュアルについて

 水村常務理事から、6月理事会に提出した素案に対し、期日までに意見がなかったことが報告され、原案通り承認された。

報告第65号 2010年度大会について

 櫃本理事から、「大会実施要項」に基づき役割分担・日程の確認があり、了承した。

報告第66号 陵墓報告

 山田理事から、①7月12日(月)に、宮内庁との陵墓懇談を実施した。②懇談に先立ち明治大学博物館会議室にて2010年度第1回全体会議を開催して事前打合せを行うとともに、今年度の活動は限定公開・立会見学、陵墓立入りを軸に取り組み、昨年同様に各実務を担う「実行委員会」と実行委員会間の調整を行う「運営委員会」を設置して、16学協会が役割を分担する体制をとることが報告され、了承した。

報告第67号 国際交流委員会報告

 新田理事から、7月10日(土)に江戸東京博物館で「発掘された日本列島2010」を実見ののち、日本考古学協会事務所にて2010年度第1回委員会を開催し、①6月理事会において国際交流委員会に検討が要請された第76回総会時の五十嵐彰会員からの提言については、当委員会の目的と外れる事案であり、諸外国の例からも一学会が扱うべき事案ではなく国政レベルでの事案であることから、当委員会は検討する任ではないこと。②第4回四学会合同公開講演会については、「考古学から見たアジアの焼き物」をテーマに、2011年3月6日(日)に明治大学リバティタワーを会場に開催することが報告され、了承した。続けて③外国からの寄贈図書に対する今後の取扱いにつき、英文による案文を作成した。④3月理事会で了承された『日本考古学年報』の総説以外の各時代動向の英訳につき、現在「古墳時代研究の動向」の英訳を進めており、「総説」と併せて公式サイトに掲載したい。⑤2010年度の英文による遺跡紹介は、『発掘された日本列島2010』から7件を選定して、文化庁に掲載原稿の英訳と訳文・写真・図版の公式サイトへの掲載許諾申請を行ったところ、そのうちの徳島県;板東俘虜収容所跡の掲載については他の遺跡への変更要請があったとの報告があり検討の結果、③の案文並びに④の掲載については了承された。⑤については、英訳したものを著作権者の文化庁に提出し、その結果を待って改めて検討することを了承した。

報告第68号 社会科・歴史教科書等検討委員会報告

 岡山理事から、9月20日(月)に神戸市で委員会を開催し、大会時のポスターセッション内容の検討を行った旨の報告があり、了承した。

報告第69号 機関誌について

 茂木理事から、昨年6月以降の投稿原稿の採否状況の報告があり、各地の注目遺跡等につき情報の提供が要請された。

報告第70号 埋文委報告

 岡山理事から、7月・9月幹事会議事録の提示があり、①東京都府中市武蔵国府関連遺跡の保存問題については、国指定に追加する方向との報道があったが、次回までに情報を収集する。その他、桜井市脇本遺跡、神戸市楠・荒田遺跡の保存問題、御所市巨勢山古墳群の毀損問題等について報告・協議された。②兵庫大会時のポスターセッション内容を協議するとともに、情報交換会では「近世城郭の保存と活用」のテーマで基調報告と討論を行う。③今年度の夏期研修会は遺物の保管・管理についてをテーマに、来春1月の開催を目指し調整する。④8月7日(土)に鴨川市で開催された「嶺岡牧再生基礎調査に係る嶺岡牧シンポジウム」は、80余名の参加者があり、現在は牧を活かしたグランドデザインについて検討中であるとの報告があり、了承した。

報告第71号 事務局報告

 水村常務理事から、次の2件について報告・説明があり、ともに了承した。

 ①今治市教育委員会から史跡 妙見山古墳 国指定記念講演会「『これからの妙見山古墳』〜国指定の意義と利活用について〜」、国際常民文化研究機構から「第2回国際常民文化研究機構国際シンポジウム」、余市町教育委員会からフゴッペ洞窟発見60周年記念国際シンポジウム「世界から見たフゴッペ洞窟」への後援依頼並びに埼玉県立歴史と民俗の博物館からは、特別展「仏教伝来 埼玉の古代寺院」にかかる武蔵国分寺跡出土鬼瓦の出品依頼があり、いずれも期日が迫っていたことから、事前に後援を了承した。

 なお、上記の武蔵国分寺跡出土鬼瓦は、1956・1957年度に日本考古学協会仏教遺跡調査特別委員会が実施した武蔵国分寺跡発掘調査に係る資料であり、現在まで国分寺市にて保管中であるが、これまでの経緯を確認し移管手続き等の検討をはかることを了承した。

 ②日本考古学協会事務所の賃貸人である平井駅前協同ビルから、5階倉庫の賃貸借の申し出があったが、今回の臨時総会開催に伴い印刷費・通信費等で約65万円の臨時出費となっていることから、本年度の賃貸契約は見送り、来年度予算に組み込む方向で検討したい。

報告第72号 日本学術会議について

 石川理事から、日本学術会議の「日本の展望−学術からの提言2010」資料の提示があり、史学委員会による審議結果報告の掲載が報告された。

以上