2021年8月16日
文部科学大臣 萩生田光一 様
国土交通大臣 赤羽一嘉 様
文化庁長官 都倉俊一 様
東京都知事 小池百合子 様
東京都教育委員会 教育長 藤田裕司 様
港区長 武井雅昭 様
港区教育委員会 教育長 浦田幹男 様
東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 深澤祐二 様
日本歴史学協会 委員長 若尾政希
日本考古学協会 会 長 辻 秀人
高輪築堤の全面保存を求める共同要望について
日本歴史学協会と日本考古学協会は、考古学・歴史学の研究の基礎をなしている、史資料・遺物・遺構ならびに文化財をめぐる調査や研究、保存や活用にかかわる諸問題に対し、これまでも積極的に取り組み、関係者等と綿密に連携を図りながら、その解決に向けて対応しております。
わたくしどもは、関係諸学会とともに、今回問題となっている、東京都港区にあるJR高輪ゲートウェイ駅周辺の「品川開発プロジェクト」の大規模工事にともなう発掘調査で発見された、明治5年(1872)に開業した日本最初の新橋横浜間鉄道の遺構である「高輪築堤」について、産業史、鉄道史・交通史に加え、工学、技術史の側面から、日本近代史を象徴する極めて重要な遺構であるとの評価を行いました。その上で、学術調査の進捗状況や保存の方向性について常に注視をしながら、出土した築堤遺構の全面的な現地保存を求めて、再三再四、関係者に対し要望書や声明を発してまいりました。
その中で、4月21日に事業者である東日本旅客鉄道会社が、高輪築堤「第七橋梁部」80㍍と公園予定地40㍍の築堤遺構の現地保存ならびに「信号機」遺構の移設を行うことを明らかにするとともに、残りの700㍍の遺構については「記録保存」とする、という方針を表明いたしました。それに対し、日本考古学協会は、この方針を「容認できない」としたうえで、貴重な高輪築堤遺構の一般公開の機会を設け、多くの人びとや様々な分野の専門家から保存の必要性などについての意見を聞くことが重要であるとの表明を行いました。
しかしながら、5月18日には高輪築堤遺構の大部分を占める700㍍部分について、開発工事にともなう「記録保存」、すなわち遺構撤去のための調査が開始され、当該遺構の保存が日を追うごとに難しい状況となっております。
日本考古学協会ならびに日本歴史学協会は、このような事態を招いたことについて、これを「高輪築堤」が有している文化財(史跡)の本質的価値の高さと、全面保存の必要性が関係当事者に十二分に理解をされなかった結果と受け止めるとともに、このような対応となったことについて「遺憾」の意を表明いたします。
その上で、「高輪築堤」の現状ならびに今後の方向性を鑑みて、以下の点を要望いたします。
(1)改めて「高輪築堤」の全面保存を求めるとともに、その構築方法・構造等、遺構の価値を明らかにするための調査を慎重に実施し、そのうえで史跡として保存する範囲を再検討すること。
⑵昨今の文化財保護法の改正によって、文化財の確実な「保存」と「活用」が求められる条件が整いつつある。今後、「高輪築堤」遺構の公開(活用)を検討する前提条件として、最新の保存技術などを駆使し、保存を確かなものとしたうえで整備や公開にのぞむこと。
⑶当該遺構周辺の開発においても関連する遺構が存在する可能性があることから、両協会ともに引き続き注視をしていく所存である。関連する遺構が発見された場合は、高輪築堤と一体化した保存を視野に入れて議論の俎上にあげること。
⑷今後、地域住民や一般の方々からの保存や活用を求める声が高まることも予想されるが、その主旨や意見を十分に受け止めて、国民共通の文化遺産である「高輪築堤」保存・活用のあり方に反映させること。
以上
URL:https://youtu.be/M9JpSDfhoGs
日本歴史学協会 ホームページ
http://www.nichirekikyo.sakura.ne.jp/
教生文第467号
令和3年6月9日
一般社団法人日本考古学協会
埋蔵文化財保護対策委員会
委員長 藤沢 敦 様
横浜市長 林 文子
横浜市青葉区稲荷前古墳群隣接地の文化財に係る適切な取扱いについて(回答)
さきにご要望(令和3年5月10日)のありましたことについて、次のとおりお答えします。
埋蔵文化財包蔵地で土木工事等を行う場合は、事業者は文化財保護法に基づく届出を行い、必要に応じて試掘調査、記録保存等を行っています。
稲荷前古墳群の隣接地における開発については、開発区域が埋蔵文化財包蔵地に該当しないため、文化財保護法に基づく事前の届出は必要ではありませんが、工事中に遺構らしきものを発見した場合は、教育委員会への報告が必要です。
確認調査を含め、埋蔵文化財の保護は開発事業者や土地所有者の御理解・御協力のもと行うものですので、当該事業者に対しては、今後、丁寧な説明を行ってまいります。
その旨ご了承いただき、貴会の皆様によろしくお伝えください。
担当 教育委員会事務局生涯学習文化財課
電話:045-671-3284
FAX:045-224-5863
九州
福岡
施 設 名 称 |
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福岡市博物館 |
福岡市埋蔵文化財センター |
九州歴史資料館 |
伊都国歴史博物館 |
佐賀
施 設 名 称 |
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佐賀県立博物館 |
吉野ケ里歴史公園 |
国土交通省九州地方整備局武雄河川事務所 東名遺跡について |
長崎
施 設 名 称 |
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壱岐市立一支国博物館・長崎県埋蔵文化財センター |
熊本
施 設 名 称 |
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熊本市塚原歴史民俗資料館 |
熊本博物館 |
熊本県立装飾古墳館 |
大分
施 設 名 称 |
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大分県歴史博物館 |
大分県立埋蔵文化財センター |
宮崎
施 設 名 称 |
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宮崎県埋蔵文化財センター |
宮崎県立西都原考古博物館 |
鹿児島
施 設 名 称 |
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鹿児島県立博物館 |
鹿児島県歴史資料センター黎明館 |
鹿児島県立埋蔵文化財センター |
指宿市考古博物館 |
沖縄
施 設 名 称 |
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沖縄県立博物館・美術館 |
本部町立博物館 |
中国
鳥取
施 設 名 称 |
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鳥取県立博物館 |
鳥取県埋蔵文化財センター |
青谷上寺地遺跡展示館 |
鳥取県立むきばんだ史跡公園 |
島根
施 設 名 称 |
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島根県立古代出雲歴史博物館 |
荒神谷博物館 |
八雲立つ風土記の丘 |
出雲弥生の森博物館 |
岡山
施 設 名 称 |
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岡山県古代吉備文化財センター |
津山郷土博物館 |
広島
施 設 名 称 |
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広島県教育事業団事務局埋蔵文化財調査室 |
広島県歴史博物館(ふくやま草戸千軒ミュージアム) |
山口
施 設 名 称 |
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山口県埋蔵文化財センター |
下関市立考古博物館 |
土井ヶ浜遺跡・人類学ニュージアム |
近畿
三重
施 設 名 称 |
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鈴鹿市考古博物館 |
四日市市立博物館 |
亀山市歴史博物館 |
三重県総合博物館MIEMU |
斎宮歴史博物館 |
津市埋蔵文化財センター |
松阪市文化財センターはにわ館 |
三重県埋蔵文化財センター |
滋賀
施 設 名 称 |
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大津市歴史博物館 |
滋賀県文化財保護協会 |
東近江市埋蔵文化財センター |
多賀町立博物館 |
滋賀県立安土城考古博物館 |
銅鐸博物館(野洲市歴史民俗博物館) |
京都
施 設 名 称 |
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京都国立博物館 |
京都府埋蔵文化財調査研究センター |
京都市考古資料館(京都市埋蔵文化財研究所) |
向日市埋蔵文化財センター |
大阪
施 設 名 称 |
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河内長野市立ふるさと歴史学習館 |
高槻市立今城塚古代歴史館 |
八尾市立しおじんやま古墳学習館 |
堺市博物館 |
堺市立みはら歴史博物館 |
大阪府立弥生文化博物館 |
東大阪市立郷土博物館 |
東大阪市立埋蔵文化財センター(発掘ふれあい館) |
兵庫
施 設 名 称 |
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兵庫県立考古博物館 |
播磨町郷土資料館 |
明石市立文化博物館 |
たつの市立龍野歴史文化資料館 |
豊岡市立歴史博物館ー但馬国府・国分寺館ー |
奈良
施 設 名 称 |
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奈良市埋蔵文化財センター |
奈良県立民俗博物館(民俗資料) |
田原本町唐古・鍵考古学ミュージアム |
香芝市二上山博物館 |
桜井市立埋蔵文化財センター |
奈良県立橿原考古学研究所付属博物館 |
和歌山
施 設 名 称 |
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和歌山市文化振興課 |
和歌山県立博物館 |
中部
新潟
施 設 名 称 |
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新潟県埋蔵文化財センター |
新潟県立歴史博物館 |
十日町市博物館 |
富山
施 設 名 称 |
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富山県埋蔵文化財センター |
氷見市立博物館 |
石川
施 設 名 称 |
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石川県立博物館 |
石川県埋蔵文化財センター |
福井
施 設 名 称 |
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福井市立郷土歴史博物館 |
福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館 |
福井県年縞博物館 |
山梨
施 設 名 称 |
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山梨県立考古博物館 |
山梨県埋蔵文化財センター |
長野
施 設 名 称 |
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長野県埋蔵文化財センター |
長野市立博物館 |
野尻湖ナウマンゾウ博物館 |
諏訪市博物館 |
飯田市上郷考古博物館 |
市立岡谷美術考古館 |
黒曜石体験ミュージアム |
浅間縄文ミュージアム |
松本市立考古博物館 |
岐阜
施 設 名 称 |
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施 設 名 称 |
岐阜県文化財保護センター |
岐阜市教育文化振興事業団埋蔵文化財調査事務所 |
関市文化財保護センター |
土岐市美濃陶磁歴史館 |
飛騨市教育委員会文化財課 |
各務原市 |
美濃加茂市民ミュージアム |
可児市 |
関ヶ原町歴史民俗学習館 |
岐阜県博物館 |
静岡
施 設 名 称 |
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静岡県埋蔵文化財センター |
静岡市登呂博物館 |
富士山かぐや姫ミュージアム |
愛知
施 設 名 称 |
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愛知県埋蔵文化財センター |
あいち朝日遺跡ミュージアム |
しだみ古墳ミュージアム |
吉胡貝塚資料館 |
名古屋市博物館 |
一宮市博物館 |
関東
茨城県
施 設 名 称 |
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茨城県教育財団 (発掘情報いばらき) |
鹿嶋市文化スポーツ振興事業団(かしまのざくざく!埋蔵文化財) |
栃木県
施 設 名 称 |
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栃木県立博物館 |
なす風土記の丘資料館 |
群馬県
施 設 名 称 |
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群馬県埋蔵文化財調査事業団 |
群馬県立歴史博物館 |
岩宿博物館 |
埼玉県
施 設 名 称 |
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埼玉県埋蔵文化財調査事業団 |
川越市立博物館 |
千葉県
施 設 名 称 |
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印旛郡市文化財センター |
加曽利貝塚博物館 |
東京都
施 設 名 称 |
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東京都埋蔵文化財センター |
新宿区立新宿歴史博物館 |
町田市考古資料室 |
神奈川県
施 設 名 称 |
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神奈川県立歴史博物館 |
かながわ考古学財団 |
横浜市歴史博物館 |
東北
青森県
施 設 名 称 |
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青森県埋蔵文化財調査センター |
青森県立郷土館 |
八戸市立博物館 |
八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館 |
縄文時遊館展示室(特別史跡 三内丸山遺跡) |
秋田県
施 設 名 称 |
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秋田県埋蔵文化財センター |
秋田県立博物館 |
後三年合戦金沢資料館 |
岩手県
施 設 名 称 |
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岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター |
奥州市埋蔵文化財センター |
岩手県立博物館 |
もりおか歴史文化館 |
一関市博物館 |
御所野縄文公園 |
宮城県
施 設 名 称 |
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東北歴史博物館 |
仙台市博物館 |
地底の森ミュージアム |
仙台市縄文の森広場 |
奥松島縄文村歴史資料館 |
山形県
施 設 名 称 |
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山形県立博物館 |
福島県
施 設 名 称 |
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福島県立博物館 |
福島県文化財センター まほろん |
いわき市考古資料館 |
四国
香川県
施 設 名 称 |
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香川県立ミュージアム |
徳島県
施 設 名 称 |
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徳島県立博物館 |
徳島県埋蔵文化財センター |
愛媛県
施 設 名 称 |
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愛媛県歴史文化博物館 |
愛媛県埋蔵文化財センター |
松山市考古館(松山市立埋蔵文化財センター) |
高知県
施 設 名 称 |
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高知県立歴史民俗資料館 |
高知県立埋蔵文化財センター |
「授業で使える遺跡・博物館」
私たち日本考古学協会は考古学という学問を通じて社会とつながっています。なかでも社会科・歴史教科書等検討委員会は、歴史分野の教科書記載に学問の成果を反映させるべく活動してきました。しかし、近年の歴史教育の流れをみると、教科書を検討するだけでは十分ではありません。現在の歴史教育では、「思考力」や「主体的に取り組む」ことが重視されています。こうした力を伸ばすには、身近な地域の歴史を扱うこと、地域の歴史を語る「遺跡」へのアプローチが重要です。そこで全国各地で「歴史分野」の授業をしておられる先生がたに、地元の研究成果を授業に使ってほしいと思い用意したのがこのリンク集です。考古学の目と心を持った研究者が地域の素材を用いて作成した各地の教育委員会・博物館などのホームページで、授業の教材として利用できそうなものを集めてみました。教材としてだけでなく、子供たちが育つ地域を知るうえでもとても参考になるものばかりです。
日本列島は南北に長く、様々な地域にそれぞれの歴史がありました。話ことばすら違っていた場合もあります。きっとこのリンク集は、イメージ豊かな楽しい授業づくりに役立てていただけると存じます。
そしてぜひ、みなさんの住んでおられる地域の足元にある「遺跡」を子どもたちとともに歩き、それらに語りかけてきた人々のいる資料館・博物館を訪ねてみることをお薦めします。実物を見ることや実際の体験から子どもたちが自分でそれぞれ気づくことがあるでしょう。このリンク集がそんな場所への入り口なるならば幸いです。
※最後になりますが、ここにリンクを貼らせていただいた日本各地の諸機関のみなさま、毎日授業されている先生がたに感謝申し上げます。
都道府県一覧
【選択した観点】
1.地理的範囲
47都道府県全市町村の小学校の先生がたに、それぞれの学区の情報を探していただけることを理想とし、全国の資料館・博物館・埋蔵文化財センター等のホームページを点検しました。見落としもありましょう、今後も充実させていく予定です。
2.内容
各地の「遺跡」に関する「写真」と「解説」があるページを選びました。遺跡数・写真枚数・解説は、量的な多寡や内容の難易などが多様ですが、遺跡や遺物の写真が1点でもあれば選びました。情報が少ないHPでも、その地域の情報としては唯一である場合があります。近い地域のリンク先なども参考にされれば、様々にご利用いただけると考え、ご紹介いたしました。
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